2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380161
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
和田 淳一郎 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (30244502)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 定数配分 / 一票の平等 / 個人還元主義 / アルファ・ダイバージェンス / カルバック・ライブラー・ダイバージェンス / アトキンソン型社会的厚生関数 / ナッシュ型社会的厚生関数 / アダムズ方式 |
Outline of Annual Research Achievements |
Wada (2012) Mathematical Social Sciencesが、相対的危険回避度一定の効用関数に依拠したアトキンソン型の社会的厚生関数に依拠して定数配分を求めていたのに対し、Wada (2016) Japanese Economic Reviewでは、真の取り分と定数配分の分布の間の擬距離(divergence)を測るにあたって、個人還元主義を体現したf-divergenceと、普遍性を体現したBregman divergenceであることを要求することによって、alpha-divergenceを目的関数とし、アダムズ方式、アメリカ下院方式、サン=ラグ方式、ドント方式などの、ストラスキー平均を閾値にする一連の除数方式による配分方法をもとめた。 Wada (2012) Mathematical Social Sciencesより普遍的な目的関数を使用したのにも関わらず、アトキンソン型の社会的厚生関数に基づくGeneralized Entropyから得られた配分方法と同じ配分方法が得られたわけである。 さらにWada (2016) Japanese Economic Reviewでは、同じ要求基準で、人口の割合の分布と議員定数の割合の分布の擬距離 (divergence) の最小化を求めることにより、対数平均を閾値にする除数方式を導いた。これは、Wada (2012) で使われたナッシュ社会的厚生関数に基づく定数配分法と一致する。 Japanese Economic Reviewへの掲載がきっかけであろうか、2016年5月5日の日本経済新聞(19面)でもこの研究は紹介され、一般社会からの耳目も集められた研究であったかと自負している。
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Research Products
(7 results)