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2013 Fiscal Year Research-status Report

近代日本における機密費の運用実態に関する実証研究

Research Project

Project/Area Number 25380170
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

小山 俊樹  帝京大学, 文学部, 准教授 (90454503)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords近代日本 / 機密費 / 内閣 / 外交 / 情報 / 政治改革 / 陸軍 / 警察
Research Abstract

当該年度は研究計画に基づいて、従来すでに公開されている関係史料の精査を実施するとともに、新規史料の捜索についての情報収集を進めた。その結果、特筆すべき成果として二点挙げることができた。第一は、機密費制度の形成期において、その複雑な経緯を解明する手がかりとなる文書群を、当時の公文書類から抽出したことである。第二は、日露戦後期のものと見られる陸軍機密費関係文書を発見したことである。
第一点について、機密費が公的な予算書上に位置づけられるのは明治中期頃であるが、機密費制度の萌芽は、すでに維新期から現われていた。とくに最も早い時期の動きとして、地方警察の捜査費用を補填する機密費の形成過程が注目されるが、具体的な史料に欠けていた。そこで京都・札幌・新潟などの地方公文書館を中心に、当該テーマに関連する史料の捜索を進めた。これらの作業のなかで、改めて史料の欠落状況に直面することになったが、文書上にあらわれた中央と地方官庁の往復通信、および地方議会の議論などを抽出することで、一定の枠組みが浮かび上がってきた。
第二点について、機密費の交付および管理について、会計担当者の手による証書類のまとめや報告が行われていたことは、すでに知られていた。だが具体的な史料については、まだ多くは知られていない。そこで本年度は新規史料調査にも力点を置いていたところ、陸軍機密費に関係する一群の未紹介史料を入手できた。その中には機密費の支出に関して異例の取扱が行われた事例も見出すことができ、本研究テーマにおける史料価値はたいへん高いものと考えている。これら関係史料の本格的な分析は、次年度以降に実施する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の計画のうち、公開史料の収集、および新規史料の発掘について、大部分が順調に進展している。また、各史料の整理・分析作業も、当初の予定通りに進捗している。ただし、研究期間中の調査によって新たな重要史料群の存在が明らかになったため、今後の調査期間および分析手法、公表手段などについて検討中である。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、当初の研究計画の通り、史料によって明らかにされた具体的使徒や、制度的な運用方法の各種情報をもとに、時期や省庁ごとの背景事情をふまえて分析を行う。その際、本研究課題に関する新規発見事項などを、できるだけ早い段階で論文として執筆し、成果を公表することをめざす。また、より幅広い情報提供を呼びかけるため、適切な史料の公開方法などについて検討を進める。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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