2015 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア冷戦体制の「熔解」と持続の狭間で:韓国の「脱冷戦」外交に焦点を当てて
Project/Area Number |
25380188
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木宮 正史 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (30221922)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 韓国 / 朝鮮半島 / 北方外交 / 冷戦 / デタント / 北朝鮮 / 共産圏外交 / 第三世界外交 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、2015年3月末に公開された1985年分の韓国外交文書に関して、韓国を訪問して、調査および閲覧をすることで、研究に必要な外交文書を取得して、それに関する調査を行った。特に、韓国の対共産圏外交と対第三世界外交に焦点を当てて、南北外交競争の中で、韓国がその外交空間を飛躍的に拡大していくプロセスを、単に韓国と共産圏諸国や第三世界諸国との二国間関係のみならず、そのために、韓国が日米などの協力をいかに獲得して進めていったのかを明らかにした。 ちょうど、2015年は1965年の日韓国交正常化から50周年に当たり、この50年の日韓関係をどのように評価するのかという共同研究にも従事していたが、日韓が、経済協力を進めただけではなく、対米外交、対共産圏外交、対第三世界外交、国連外交など多角的な外交領域において、相互補完的な協力を果たしたことを、日韓の外交文書を通して明らかにした。そうすることで、何かと摩擦が絶えない日韓関係に関して、国交正常化以後50年の外交協力の達成度を今一度再認識することによって、今後の協力のための条件を探るという知的かつ実践的な作業を行った。 また、1980年代の韓国の北方外交に関する本格的な研究に着手するための前提条件として、1970年代の朴正煕政権による対共産圏外交の具体的な態様に関して、韓国の外交文書と、その他の外交官や政治家による回顧録などを手がかりとして、それを明らかにする作業に取り組んだ。依然として、1970年代と80年代との外交の連続性と断絶性に関しては、不明確な部分も多く、それを明らかにすることが今後の課題として残った。 最後に、こうした韓国外交に関する実証的な研究に基づいて、現在の日韓関係をどのように打開して、どのような新たな関係を構想するのかについて、日韓の研究者との議論を通して考察を深める思索を重ねた。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] 日本の韓国研究の現住所:新たな可能性を模索して(韓国語)2015
Author(s)
木宮正史
Organizer
KF Korean Studies Assembly 2015 Korea and Korean Studies in the World 70 Years After Independence
Place of Presentation
韓国Westin Chosun Hotel、ソウル(韓国)
Year and Date
2015-07-24 – 2015-07-24
Int'l Joint Research / Invited
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