2013 Fiscal Year Research-status Report
重み付き投票メカニズムにおける交渉過程の実験経済学的分析
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25380222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡邊 直樹 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20378954)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 投票メカニズム / 提携形成 / 経済実験 / 国際研究者交流(フランス) / 国際情報交換(フランス) |
Research Abstract |
本年度に論文 “A Methodological Note on a Weighted Voting Experiment” (Eric Guerci, Nobuyuki Hanaki, Naoki Watanabe, Gabriele Esposito, Xiaoyan Lu)が査読付き国際専門誌であるSocial Choice and Welfareに受理され、オンライン版は既に刊行されている。 本稿では、Montero et al. (2008)で用いられた重み付き投票の実験プロトコルの要素を2つほど抜き出して、それぞれに対応する実験結果の感度分析を行った。それらは、(1)各回で被験者の役割をランダムに割り当てる、(2)提案にはいくつでも賛成してよい、という2点である。本稿では、(1)について、被験者の役割を固定したもの(2)については、賛成できる提案が1つのみに変更したものと組み合わせ、合計4つの実験プロトコルにおいて観察される勝利提携の相対頻度にどのような違いが出るかを調べた。ここでは、投票者の集まりを提携といい、議案が採択された提携を提携勝利という。その結果、Monteroらの実験プロトコルに比べて、被験者がミスをする件数が有意に少ないのは、被験者の役割を各回で固定し、賛成できる提案は1つに限定した実験プロトコルであることが判った。 上述のように、本稿の内容は投票実験に関する方法論であり、今後実施されるの投票実験のための基礎を提供している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究の基礎となる投票実験のプロトコルを見いだすことができた。それは査読付き国際専門誌への掲載、公共選択学会での発表などにより公にされた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には、投票制度に内在する議決に対する真の影響力(投票力)を被験者は果たして認識できるのか、できるとしたら、どのようなことをどのように意識するのかという課題にとりくむ。これにより、投票における提携形成の規則性を発見するための下地がそろうことになる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に投票に関する経済実験を予定していたが、被験者である学生の試験期間などと重なり、日程調整が困難であったため、次年度に実験を実施することにした。 5月から6月にかけて、投票に関する被験者実験を実施する予定である。
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