2016 Fiscal Year Annual Research Report
Advances in the Theory of Incentives
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25380224
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
神取 道宏 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (10242132)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 経済理論 / ゲーム理論 / くり返しゲーム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
私的観測下のくり返しゲームにおいて、シンプルで頑強な均衡をすべて求める網羅的探索を行った。私的観測下のくり返し囚人のジレンマゲームにおいて、均衡経路上の行動が状態数3以下のオートマトンで記述できるすべての戦略について、それが各時点で唯一の最適行動を持つような頑強な均衡になっているかどうかを判定した。その結果、協調を達成する均衡は2種類あることが発見された。
私的観測の代表例は、相手の行動を一定の確率で見間違える場合と、プレイヤーの行動がもたらす成果を一定の確率で見間違えるケースである。網羅的探索で明らかになったのは、前者の場合に均衡になるのは Forgiving after n Bad Signals (FnB) のみだということである。この戦略は、協調から始め、悪いシグナルを見たら裏切りに移り、悪いシグナルをｎ回続けて見たら協調に戻るといものである。また、後者の場合では、Forgiving after n Good Signals (FnG) のみが均衡となった。FnBとちがってFnGは、ｎ回良いシグナルを続けて見たら協調に戻るものである。私的観測下のくり返しゲームの頑強な均衡がまったく知られていなかった中で、主要な均衡戦略が発見できたのは大きな成果である。
戦略改訂ゲームについては、基礎と応用の2本の論文にまとめ、投稿の段階までに至った。また、きわめて多くの応用を持つ、利得が加法分離的でない場合の asynchronous revision games の分析について、均衡を特定する方法について一定の進展を見た。
私的観測の特徴を持つ、個人加盟型の労働組合の実証研究では、詳細なデータを収集して計量分析の手法を使い、統計的分析を行った。その結果、以前インタビューと数理モデル分析によってその存在が予想されていたメカニズムが、確かに労働組合で働いていることが検出された。
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Research Products
(2 results)
