2014 Fiscal Year Research-status Report
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25380226
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
奥村 綱雄 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (90323922)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 部分識別 / ノンパラメトリック / バウンド / 集合推定 / 欠損値 / 消費関数 / 貯蓄関数 / 推定バイアス |
Outline of Annual Research Achievements |
個票データを用いて、関数を推計する場合、説明変数のデータに多くの欠損値があるという問題によく直面する。この説明変数の欠損値は、回答者の自己選択の結果であると考えられる。このとき、独立の仮定を満たさないので、従来の欠損値を取り除いて説明変数の係数を推定する方法では、推定値にバイアスが生じる。前年度に引き続き、このような場合に、説明変数の係数を適正に推定する方法を開発した。具体的には、Horowitz and Manski (1998)、Manski and Tamer (2002)、Manski (2003)、Okumura(2012)の部分識別の方法を発展させ、Probitモデルにおいて、説明変数のデータに欠損値があるとき、説明変数の係数が入りうるバウンドを識別する方法を開発した。そして、Andrews and Shi (2011)のMoment Inequality推定法を応用して、識別したバウンドを推定する方法を開発した。さらに、モンテカルロシミュレーションを使って、このバウンド推定値の有効性を確認した。
また、平成26年度に、当該研究と関連する研究論文を査読付き国際学術誌に公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した「研究目的」及び「研究計画・方法」の平成26年度の内容を概ね達成している。ただし、研究の進捗状況に合わせ、今年度の実証研究ではシミュレーションによる実証分析を優先し、今年度行う予定であった実際のデータを使った実証研究の一部を、次年度に行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に記載した「研究計画・方法」に従い、今後研究を続ける。まず、新年度に持ち越した実際のデータを使った実証研究の一部を行う。
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Causes of Carryover |
今年度の行う予定であった実際のデータを使った実証研究の一部を、次年度に行うことにし、それにかかる費用を次年度使用額とした。理由は、研究の進行上、この実証研究よりも、シミュレーションによる実証分析を優先したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、実際のデータを使った実証分析を次年度行うこととし、その費用として使用する。
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