2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism Design in the Kidney Exchange Problem
Project/Area Number |
25380244
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
若山 琢磨 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (80448654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 裕二 (藤中裕二) 大阪経済大学, 経済学部, 講師 (20552277)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メカニズムデザイン / 経済理論 / ゲーム理論 / マーケットデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は,前年度に引き続き,患者間のドナー交換のみを扱う「基本モデル」において,偽装結婚・偽装養子縁組によるドナーの融通を防止する腎臓交換メカニズム(耐事前交換的メカニズム)を明らかにする研究を行った.前年度までの結果より,耐戦略性と個人合理性を同時に要求しなければ,効率性を課したとしても,トップ・トレーディング・サイクル・メカニズム以外にも多くの耐事前交換的メカニズムが存在することが判明していた.そこで本年度は,それらの耐事前交換的メカニズムが,どのような性質(強耐事前交換性,連立耐事前交換性,個人合理性,耐戦略性,効率性,匿名性,非介入性など)を満たす/満たさないのかについて調べた.そして,基本モデルについて今年度までに得られた結果をまとめ,「Pre-exchange-proof house allocation」という題名で論文を完成させた.完成論文は,SSRNにワーキングペーパーとして公表し,査読付きの国際的学術雑誌に投稿した.腎臓交換メカニズムに関する既存研究は,基本モデルを変形・拡張したものが多い.したがって,今回得られた基本モデルにおける研究成果は,今後変形・拡張したモデルで耐事前交換的な腎臓交換メカニズムを明らかにする際に役立つものと期待される.この意味で本研究課題で得られた成果の意義・重要性は大きいと考えられる.また本年度は,本研究課題と関連するメカニズムデザイン研究の論文1本を査読付き国際的学術雑誌に公刊した.
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