2014 Fiscal Year Research-status Report
統合的経済倫理学に基づく多元的秩序理論の構築-中間組織の統合的把握に向けて-
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25380250
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
永合 位行 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (40218037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 寿来 名古屋学院大学, 経済学部, 講師 (10379505)
佐々木 亘 鹿児島純心女子短期大学, その他部局等, 教授 (40211940)
鈴木 純 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (40283858)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 経済倫理学 / 多元的秩序 / 経済政策 / 中間組織 / 共同体 / 連帯性 / 非営利組織 / 地域医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に引きつづき、経済分析における二元論的枠組みを批判的に検討し、統合的経済倫理学に基づく多元的秩序理論という新たな分析枠組みの構築に向けた研究を進めた。具体的には、諸中間組織を統合的に把握するための基礎となる分析枠組みの構築と、それに基づく理論的・政策論的研究を行った。この研究課題に対して、本研究は、[経済倫理学],[連帯性],[地域コミュニティ],[非営利組織]の4つの側面からそれぞれ接近を試みた。 1. 現代の市場社会における経済主義とその批判論を検討することにより、経済倫理学的に正当化されうる経済社会の枠組みに関する論点を明らかにした。また、社会学的新自由主義の理論的・思想的背景を明らかにすることを通じて、その秩序政策構想の現代的意義を明らかにする研究を行った。2. 共同体と連帯性、および共同体と共同善に関して、倫理思想における経済と倫理の位置づけについて研究を行った。3. 地域コミュニティにおける諸組織の社会的・経済的機能について、特に高齢社会における地域医療のあり方を問う観点から、調査・研究を行った。4. 非営利組織等における価値の多元性と個別主体の経済行動との結びつきに関する機能分析を通じて、さまざまな社会ネットワークと経済組織の相互作用を明らかにするための理論的・実証的研究の準備を進めた。 それぞれの研究を展開するにあたっては、研究会の開催や個別の研究打合せにおける議論・意見交換を通じて、個別の研究成果から課題全体の研究枠組みへのフィードバックをはかり、随時修正を加えながら研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画された4つのアプローチによる研究により、全体の研究課題である「統合的経済倫理学に基づく多元的秩序理論の構築」に向けて、それぞれ一定の前進が見られた。また、各分担者の研究上の個別的課題、研究の方向性に関して、メンバー全員で問題を共有し・意見の交換する体制がおおむね実現されている。
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Strategy for Future Research Activity |
引きつづき、4つのアプローチ〔経済倫理学の批判的検討を通じた統合的経済倫理学の構築, 中間組織と人間の連帯性に関する経済倫理学的分析, フォーマルな中間組織の経済倫理学的分析, インフォーマルな中間組織の経済倫理学的分析〕から、「統合的経済倫理学に基づく多元的秩序理論の構築」に向けた研究を進める。また、各個別研究の相乗効果をいっそう高めることができるよう、緊密な意見交換と議論の充実につとめる。
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Causes of Carryover |
経費支出ににおける端数として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額に組み入れて使用する。
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Research Products
(8 results)