2013 Fiscal Year Research-status Report
原油価格変動を考慮した失業と経済成長のベイズ統計分析
Project/Area Number |
25380263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
姜 興起 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70254662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 英雄 東京理科大学, 経営学部, 准教授 (90347724)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 労働市場 / 失業率 / マッチング関数 / 時変パラメータ / ベイズモデル / 原油価格 / 経済成長 |
Research Abstract |
平成25年度は、主要な研究結果として、労働市場のマッチング関数の推定を通じた完全失業率の分解法を提案し、日本の労働市場における動的構造の実証分析を行った。 本研究では、Cobb-Douglas型のマッチング関数のモデルを採用している。我々のモデリングの主要な特徴は、労働市場の構造的ダイナミックスを分析するため、マッチング効率性、欠員弾力性および失業弾力性をすべて時変パラメータとして扱う点である。ただし、パラメータ推定値のロバスト性を考慮して、規模に関して収穫一定のマッチング関数を使用している。また、ベイズ的観点から上記の時変パラメータを確率変数とみなし、平滑化の事前分布を導入した。パラメータの推定においては、マッチング関数とその時変構造を表すモデルの組を状態空間モデルで表現し、カルマン・フィルタと固定区間平滑化の手法を適用した。 実証分析より次のような結果が得られた。第一に、1960年代から2000年代までの期間において、新規雇用の失業弾力性は上昇傾向にあったが、新規雇用の欠員弾力性は低下傾向にあった。2000年代以降は、どちらの弾力性も0.5の近傍で推移している。第二に、1960年代から1980年代にかけてマッチング効率性は低下傾向にあった。しかし、1990年代前半には下げ止まり、1990年代の後半以降は停滞した状態が続いている。第三に、1970年代から2000年代までの各10年間における構造的・摩擦的失業率と需要不足失業率の平均値の推移をみたとき、両者ともに上昇トレンドがみられる。 なお、平成26年度の研究計画の早期完成に向けて、時変係数をもつ多変量自己回帰モデルを用いた原油価格、企業物価指数や消費者物価指数などと鉱工業生産指数やGDPなどの経済指標との相互影響におけるダイナミックスの分析も試み、初期の研究成果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
データの収集、モデルの構築およびパラメータ推定に関して、これまでの共同研究に基づく充分な準備があった。また、研究代表者と分担者は、共同研究の成果を多くの国際学術誌に掲載することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に当初の研究計画に沿って研究を進めていくことを考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度、論文投稿に関わる支出額が当初の予想を下回った。次年度は、論文投稿料のほか、国際会議への参加旅費の支出額が増加する見込みである。そのため、計画的に今年度の研究費を次年度に回すこととした。 6月15日~18日、韓国釜山で開催の国際会議ICICIC2014の参加旅費(1人分)20万円程度 論文投稿料(2篇×5万円)、10万円程度 論文の英文校正の代金(1篇)、2万円程度
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Research Products
(9 results)