2013 Fiscal Year Research-status Report
ボラティリティが変動する状況における非線形時系列の推測
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25380272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
牧 大樹 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (60423737)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 線形性の検定 / 不均一分散 / Wild bootstrap / LSTAR |
Research Abstract |
通常、線形性の検定を行う場合、均一分散が想定される。しかしながら、経済時系列変数のボラティリティは、不均一であることが多い。経済時系列は様々なタイプの変動的ボラティリティを持っており、そのような状況下で非線形モデルを推測したときの性質は明らかにされていない。GARCHや確率的ボラティリティが存在する下では、線形検定に様々な影響を与える可能性がある。実際、不均一分散の存在下では、通常の線形性の検定は見せかけの非線形性を示すことが指摘されている。 見せかけの非線形性を回避し、信頼できる結果をもたらすための手法として、Wild bootstrapが挙げられる。Wild bootstrapは、未知の不均一分散を保ちながらサンプルを複製できるという特徴がある。この手法を利用した検定がいつか提案されてきたが、手法間でどれが最も有効な検定かは明らかにされてこなかった。そこで、本年度では、不均一分散の存在下でWild bootstrapを使用する線形性の検定を比較検証した。特に、帰無仮説に線形モデル、対立仮説にロジスティック円滑遷移自己回帰モデルをとる線形性の検定に焦点を絞って分析した。ロジスティック円滑遷移自己回帰モデルは非対称性をとらえることのできる時系列モデルであり、経済データを分析する際に良く使用されるモデルである。 本年度の研究成果として、データが不均一分散で高い持続性を持つとき、従来の検定が過剰棄却を引き起こすことを明らかにした。また、fixed-design Wild bootstrapはデータが早い収束を持つときは有効だが、高い持続性を持つときは有効でないことを示した。さらに、Rademacher分布を持つrecursive-design Wild bootstrapは、不均一分散下で持続性が高いときにも過剰棄却がなく、十分な検出力を持つ結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目的である『ボラティリティが変動する状況における非線形時系列の推測』について、シミュレーション分析を中心に行い、不均一分散が線形検定に与える影響を明らかにできたため。また、どのような手法を使えば、ボラティリティが変動するような不均一分散においても適切に検定できるかを明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、ボラティリティが変動する状況において非線形性を考慮した単位根検定や共和分検定を行うにはどのようにすべきかを中心に研究を行う。
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Research Products
(1 results)