2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380295
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 啓明 京都大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (70534840)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 人口減少 / 経済成長 / 国際貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である27年度は,2本の論文を作成し,査読付き学術雑誌へ投稿し,いずれもアクセプトされた. 1本目の論文は,"The Effects of Negative Population Growth: An Analysis Using a Semi-Endogenous R&D Growth Model," Macroeconomic Dynamics, forthcoming (with Keisuke Hoshida)であり,研究開発投資を行うことで技術進歩が生じる経済成長モデルにおいて,人口成長率がマイナスの場合,長期的な経済成長率がどのように決定されるのかを分析したものである.このモデルでは,有限時間内に研究開発投資がゼロになり,技術進歩率はゼロになるが,そうであっても長期的には,1人当たり成長率はプラスになることを示した.これは,人口減少社会においても,正の成長率が持続可能であることを示唆する結果である. 2本目の論文は,"Positive and Negative Population Growth and Long-Run Trade Patterns: A Non-Scale Growth Model," The International Economy, Vol. 18, pp. 43-67, 2015であり,大国同士が貿易を行う状況において,2国のうち少なくとも一方の人口成長率がマイナスの場合,それぞれの国の長期的な経済成長率がどのように決定されるのかを分析したものである.この場合,いくつかの貿易パターンが長期的にありうるが,いずれの場合においても,両国の1人当たり成長率はプラスになることを示した.これは,国際貿易を考慮した人口減少社会においても,正の成長率が持続可能であることを示唆する結果である.
|