2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380311
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
石黒 靖子 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (60247947)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 貨幣の非中立性 / 財需要の異質性 / 経常収支の不均衡 / 国際投資残高 / ユーロ導入国 / マーストリヒト収斂条件 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は以下の研究を行った。 ①統一通貨を議論する上で貨幣の非中立性に関するモデルを26年に構築したが,27年度はそれを取り扱いと見通しのよいモデルに再構築して,論文にまとめた。(“Demand Heterogeneity, Non-neutrality of Money and Optimal Share of Government Spending” Discussion Paper No.85, Institute for Policy Analysis and Social Innovation, University of Hyogo。) ②計量ソフト利用のために,セミナーに参加し,使用方法を習熟につとめた。 ③25年度,26年度に収集したデータを利用してこのモデルに基づいた実証分析が終了した。現在,論文を執筆中である。 ④27年の研究成果の一部をWestern Economic Association International 12th International conferenceに参加・報告した。(“Demand heterogeneity and non-neutrality of money.”於Nanyang Technological University, Singerpore,1月8日。)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度に当初予定していた研究活動の中で2国モデルの構築はできなかった。これは26年度に構築した,貨幣の非中立性が発生するモデルがやや複雑で2国化して扱うことが困難であったためである。そこでそのモデルを見直して,本質を失わないものの見通しがよく取り扱いが容易なモデルを再構築することができた。このモデルは2国モデルとしても扱いが容易であり,次の段階への展望が開けたと評価できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度に行うのは次の4点である。 ①継続して資料収集を行う。 ②27年度に構築したモデルに基づく実証分析の結果を早期に論文にまとめる。 ③27年度に明らかにした財需要の異質性に基づく貨幣の非中立性を経常収支不均衡とそれにともなう資産の国際的偏在に係わる考察を進める。 ④今後の研究の展開の可能性に一つとして投資を含むモデル構築の見通しをつける。
|
Causes of Carryover |
27年度未使用額が生じた状況は次の様なものである。 2016年3月に欧州での資料収集を予定していたが,パリのテロの発生とその後のEU首都であるブリュッセルの状況をうけ検討した結果,現地調査を中止した。そのために予定していた費用約50万円が未使用となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度の支出計画は当初計画による400,000円と27年度未使用の580,535円である。当初から予定していた金額に関しては予定通りに使用したい。昨年度未使用分に関しては,状況が改善するならば,27年度に断念をした欧州での情報収集を行いたい。状況が改善せず,現地資料収集を断念せざる得ない場合には,日本で可能な限りのデータ収集費(購入費)にあてて,代わりとする予定である。
|
Research Products
(2 results)