2013 Fiscal Year Research-status Report
気候変動が日本の農作物生産に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
25380325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
日引 聡 上智大学, 経済学部, 教授 (30218739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 幸治 関西学院大学, 経済学部, 講師(Lecture) (40550249)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 気候変動の農業影響 / 土地生産性 / 作物別土地利用 / 気温上昇 |
Research Abstract |
本研究の目的は、気候変動が日本の農業に与える影響を分析することにある。気候変動による気温上昇や降水量の変化は、農業生産性に影響を及ぼし、国内の生産や農作物貿易に影響を与える。このため、本研究では、気候変動が農作物の国際貿易に与える影響、国内の農業生産に与える影響の2つの観点から、研究を進める。平成25年度は、以下の研究を実施した。 (1)気候変動が国際貿易に与える影響の分析:本研究では、米、トウモロコシ、小麦を対象に、重力モデルを二国間の相対貿易モデルに適用した農作物貿易モデルを構築し、国レベルのパネルデータを用いて、気候条件がこれらの相対貿易に与える影響を分析した。その結果、気温が10%程度(平均1.8℃)上昇した場合、小麦では、3.71%輸出が減少し、米では、0.07%輸出が増加し、トウモロコシでは、0.98%輸出が減少することが明らかになった。 (2)気候変動が国内の農業生産性・土地利用に与える影響の分析:本研究では、作物別の土地生産性モデル及び土地利用モデルを構築し、気象条件が土地生産性や土地利用に与える影響を分析する。このため、平成25年度は、以下の研究を実施した。 ①分析フレームワークを検討し、分析に必要なデータ(分析対象の19作物の生産に関連するデータ(市町村レベル)、気象データなど)を収集・加工(市町村合併によるデータの統合、複数のデータベースとの統合、気象データの加工など)し、パネルデータ(1996~2006年)のデータベースを構築した。平成26年度には、このデータを使って、モデルのパラメータ推計をする予定である。 ②予定している政策シミュレーションに必要な情報(将来の気候変動)収集のためにて、将来の気候変動に関するレビューを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1)当初予定していた研究計画(データベース構築等の作業)を順調に完了した。 (2)当初計画になかったが、科研費申請後、新たに追加した研究(気候変動が農作物の国際貿易に与える影響に関する実証研究)を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り順調に研究は進展しており、今後も、研究計画通り研究を遂行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、今年2から3月に農業関係者のヒアリングを2か所(宮崎と北海道)ほど予定していたが、学内の役職上の仕事と重なり、出張することができなかった。 昨年度計画していたヒアリング調査を夏休みを利用して完了する。
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Research Products
(8 results)