2014 Fiscal Year Research-status Report
人間開発のためのソーシャル・ビジネスの活用:スペインとバングラデシュの比較
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25380327
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
松井 範惇 帝京大学, 経済学部, 教授 (50278438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 ひろみ 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10398000)
池本 幸生 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20222911)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 連帯経済 / ソーシャル・ビジネス / グラミン銀行 / 有機農業 / 地域通貨 / コーヒーの認証 / アジア諸国 / 人間開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究会を3回行った。連帯経済という概念について討議し、ソーシャル・ビジネスがその実現のための枠組みとして大きく捉えることが出来ることを確認した。バングラデシュのグラミン関係のソーシャル・ビジネスのさまざまな動きと形態を検討し、その他の ソーシャル・ビジネスの可能性との関連を研究した。その結果、有機農業、コーヒーの認証、地域通貨の実験、などにわたって、日本、アジア、その他の地域での実践と世界の動きを把握し、研究を進めた。バングラデシュの未電化地域における太陽光設備の設置、バイオガスのソーシャル・ビジネスである、グラミン・シャクテイによるSHSの調査を行った。データの分析を進めており,一次的なデータ解析は進めているが、まだ更なる分析とその解釈などについて、詳細な議論とデータ自身の解析を進める必要がある。これらは平成27年度に行う予定である。 今年度の研究の成果は、次の3つに報告した: Nazrul I. Chowdhury and Hiromi Tsuboi (2014), "Microcredit Programs Facing a Crisis in Spain," 『秋田大学大学院工学資源学研究科研究報告』第35号、35-38ページ Noriatsu Matsui & Yukio Ikemoto (eds)(2015), Solidarity Economy and Social Business: New Models for a New Society, Springer, 108pp 池本幸生 & 松井範惇(共編著)『連帯経済とソーシャル・ビジネス:貧困削減と富の再配分のためのケイパビリテイ・アプローチ』明石書店、221ページ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連帯経済とソーシャル・ビジネスの概念化、明確化はほぼ予定通り進み、英文と邦文の出版物で報告することが出来た。スペインとバングラデシュの比較、およびグラミン・シャクテイによる太陽光プロジェクトの調査から得られたデータの解析と分析が残された課題である。 それらと共に、最終の研究成果の報告発表を平成27年度(最終年度)中に行う予定である。それらの計画も進められており、本研究はほぼ順調に進められているということが出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに述べたように、バングラデシュのSHSのデータ解析とそこからの分析をまとめること、およびスペインにおけるソーシャル・ビジネスを通じた人間開発の研究を進めることが今後の研究課題である。 次年度では、これらの成果を国際的な場での報告、発表を通じて、研究の幅広い広報と周知を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
太陽光発電の家計調査と店舗調査(SHS)の残り部分の完成が次年度に繰り延べられた。さらに、そこから得られる統計データの解析も最終年度である、H27年度に持ち越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
SHS調査の最終部分の集計と、データ解析に大部分は使用される計画である。残り部分は研究成果の報告に使われる予定である。
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