2013 Fiscal Year Research-status Report
日本企業の輸出ステータスと生産性、マークアップの関係に対する実証研究
Project/Area Number |
25380338
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加藤 篤行 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 助教 (10470064)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生産性推計 / 回帰分析 / 輸出と海外直接投資 |
Research Abstract |
1. 独立行政法人経済産業研究所を通じて経済産業省より企業活動基本調査の個票データを受け取り、2000-2010年の製造業企業のパネルデータを作成した。このパネルデータは生産性推計に必要な売上高、有形固定資産、労働者数、各種費用および輸出と海外直接投資(FDI)の有無に関するデータを含んでいる。輸出と海外直接投資のデータは実績の有無を1/0であらわすダミー変数として作成した。 2. 上記のパネルデータを用いて、Martin (2010)で提案された推定法により企業レベルの生産性(技術的効率性)とマークアップ(価格マージン)の推定値を求めた。さらにそれらの推定値を用いて企業の輸出および海外直接投資(FDI)が生産性とマークアップに対して正の効果を持つかどうかを回帰分析によって検証した。本研究によって、輸出は生産性とマークアップのどちらに対しても正の効果を持つが、一方でFDIの効果はマークアップのみのいて確認され、生産性には効果が見られないことが示された。また、輸出を地域別に分析すると、アジア地域に対する輸出が生産性に対して正のプレミアムを持つ一方で、マークアップに関してはアジアおよび北米への輸出が正に相関していることが明らかとなった。 3. 早稲田大学が購入しているBureau van Dijk社のOSHIRISデータベースより、日本、アメリカ、中国の企業のデータを抽出し、項目別に整理を行った。 4.研究の理論的バックボーンとなるMelitz論文(2004, 2008)のモデルとそのインプリケーションを整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では初年度を主にデータ準備期間と想定していたが、OSHIRISのデータについては整理がかなり進んだ。この作業は次年度も継続する予定であるが、現在までのところ予定通りの進展であると考えている。一方で、経済産業省の個票データについては、データ使用期間が1年に限られるために予定を一部変更した。当初は企業活動基本調査と海外事業活動基本調査をマッチングしたデータベース作成を計画していたが、この作業にはデータの取り扱いに対する一定程度の習熟が必要と判断されたので、まずは企業活動基本調査のみを用いたデータベースを作成し、データの取り扱いに習熟し一定の成果を得ることを優先した。その結果として分析論文を一本作成したが、これは当初は2年目以降に進める予定であった分析作業を一定程度勧めたという意味で、前述のデータマッチング作業を次年度に持ち越したことと相殺して、研究目的を順調に達成していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 今年度は、OSHIRISのデータ整理をさらに進める。 2. 昨年度の研究によって得られた成果としての論文を国内・国際学会で発表する。 3. また、経済産業省の個票データに関して、企業活動基本調査と海外事業活動基本調査のデータのマッチングを行い、それを用いた分析論文を作成する。 4. さらに、昨年度の研究成果である論文について、国内・国際学会において発表を行うことを計画している。 5.研究レベル向上のために、セミナーを開催して他の研究者との意見交換を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ整理作業を行ってもらうために人件費を計上していたが、統計法の規定により当該作業を予定していた協力者に依頼できなかった。 理論に関する既存研究のとりまとめ、データ整理を研究協力者に依頼するための謝金として使用する予定である。 また、意見交換を促進する目的でセミナーを開くことを予定しており、その費用として使用することを計画している。
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