2013 Fiscal Year Research-status Report
貿易・環境政策としての情報操作、および品質規制に関する理論研究
Project/Area Number |
25380343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
服部 圭介 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (50411385)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際貿易 / 環境政策 / 貿易政策 / 情報操作 / 寡占 |
Research Abstract |
初年度においては,当初の計画通り,戦略的貿易・環境政策の既存研究のサーベイを行った。そこでは,国際貿易や環境を通じた国家間相互依存関係がある状況における,様々な政府の政策手段の効果について,知見を得た。その中で,本研究課題が対象としている「政府による戦略的な情報操作」の効果について,未だ体系的に研究されていないこと,さらに従来から研究が進んでいる関税や補助金政策などの効果についても,例えば企業の意思決定のタイミングを内生化した場合にはどのような含意を持つかなどといった研究に関しては,未だ成果がなく,今後の研究課題として重要であるということを確認した。 また,本研究課題の準備段階として執筆しワーキングペーパーとして公開している Hattori and Higashida (2011) When Government Misleads US: Sending Misinformation as Protectionist Devices, Kwansei Gakuin University Discussion Paper Series 75. を,国際査読雑誌に掲載するべく,改訂した。 さらに,"Profit-maximizing Wages under Duopoly"と題した論文を,執筆中であり,既に,大東文化大学,成蹊大学,大阪大学,武蔵大学で開催されたセミナー・研究会において,報告している。この論文は,寡占市場において企業の価格決定の手番が内生的に決まるような環境において,企業の戦略的な生産技術や賃金率(費用)の選択問題を考察したものである。この枠組みは,国際寡占市場における各国政府の戦略的な規制や関税の設定の理論に拡張可能であり,本研究課題に適合するものである。現在,その理論モデルの構築を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,既存研究のサーベイに関しては順調に進んでいる。また,予想以上に数多くのセミナー・研究会報告を行うことができ,様々な分野の研究者から,多大なコメントを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度においては,当初の研究計画通り,理論モデルの構築を行い,可能であれば成果をワーキングペーパーとして公開し,学会や研究会などで報告することを考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費については,事前の交通費計算の予想が難しく,503円の次年度使用額が生じた。 次年度使用額503円については,通常通り執行する計画である。
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