2013 Fiscal Year Research-status Report
貿易による二酸化炭素排出と環境汚染:産業レベルの世界データによる実証分析
Project/Area Number |
25380346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
本間 聡 九州産業大学, 経済学部, 教授 (70368869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 裕司 滋賀大学, 経済学部, 教授 (40309737)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境経済学 / 貿易 / 環境効率 / 包絡分析法 |
Research Abstract |
実証分析の基礎となる貿易額と貿易に伴うCO2排出量のデーターベース構築に関しては、これまで硫黄酸化物や窒素酸化物などに関して構築されたデータベースをもとに拡張することを試みている。貿易に内在化されたCO2排出量データベースの作成工程であるが、(1)EU等によるEDGARデータベースを活用して、各国の産業別のCO2排出量データと産業別生産量(金額)から、国別産業別CO2排出係数を作成する。このCO2排出係数は、国次元と産業次元のクロスセクションで変化するが、さらに年次元についても変化する(すなわち、時変的である)。さらに、(2)国連のComtradeデータベースを活用して、各国産業別の輸出量(金額)に対応する各国産業別のCO2排出係数を乗じることで、輸出に内在されるCO2量を計測することが可能となる。輸出に関しては相手国に関係なくCO2排出係数が同一であるが、(3)輸入に関しては、相手国別にCO2排出係数が異なるために、一段階多い計測手順が必要となる。 本研究の目標は、環境と貿易について国別・産業別の精緻な実証分析を行うことであるが、その予備的分析として、国別のみに整理された98ヶ国のデータで環境効率と貿易との関係を分析した。そこでは、環境効率は包絡分析法(DEA)によって測定した。その結果、貿易の拡大は環境効率の改善に寄与するが、その効果は一様ではなく、相対所得が高い国ほど貿易によって環境効率が改善する傾向があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国別・産業別のデーターベース構築に関しては、基礎的な作業は終えているものの、係数(汚染集約度)を調整することや中間財の考慮を組み込むことに時間を要している。そのため、輸出に伴って輸出国で発生するCO2排出量と輸入に伴って輸入相手国で発生するCO2排出量を求める段階には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度末時点では、上述の(1)のEDGARデータベースの準備と(2)の国連Comtradeのデータベースの準備は整った。従って、両データベースの産業コードをマッチングさせるための参照表が完成すれば、各国各産業別の輸出に内在されるCO2排出量の計測を行う自動プログラムは、基盤研究(C)22530253で作成したものに若干の修正を加えるところまで準備が進んだといえる。(3)に関しても同様にマッチングの参照表が完成すれば、すぐに輸入に内在されるCO2排出量が計測可能となる。そこで、平成26年度は、データベースの構築を完成させて、実証分析を行う。一人当たり所得水準や民主化指標(Polity Index)などの説明変数によって、貿易に伴うCO2排出量を説明する。それによって、直接的に汚染逃避地仮説の検証が可能となるグローバルな被害をもたらすCO2とともに、ローカルな被害をもたらす硫黄酸化物等の大気汚染物質についても同様の分析を行うことで、環境負荷物質ごとに汚染逃避地仮説が成立するのかを検証する。得られた結果については国内外の学会で発表し、ディスカッション・ペーパーの刊行や学術雑誌への投稿を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に計画していた海外における研究報告を行わなかったために、予算の内約40万円が未消化となった。 平成26年度の新規予算と合算した研究費の使用計画を以下のように行う。 研究打ち合わせのために複数回の国内出張が必要となる。研究発表に関しては、国内学会において2回、国際学会において1回の発表を行い、学術雑誌への複数の投稿料が必要となる。
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Research Products
(4 results)