2013 Fiscal Year Research-status Report
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25380380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
日高 政浩 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (50238309)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 租税の実証研究 |
Research Abstract |
今年度は租税支出の研究の初年度として、オーストラリア政府が公表している Tax Expenditure Statement の推計方法を精査し、日本の租税支出の推計を行うことを計画していた。 オーストラリアの租税支出について詳しい、Monash大学のR. Krever教授と研究打ち合わせを行い、推計に関する示唆を受けた。さらにその際、中国の租税支出に関する最新の研究成果についての教示を受けた。多くの国では租税支出が政府によって推計されているが、中国は日本と同様に政府による推計が行われていない。その中で中国の租税支出に関する研究の情報を得ることができたことは、日本の租税支出の研究の位置づけをするために有益であった。同時に、多くの研究文献も入手できたことは、次年度に主に行う予定であった理論的な整理を先駆けることとなっている。 当年度は、オーストラリアの租税支出の推計方法についての整理を行い、日本の租税支出推計への方法を確立し、推計を行うことを予定していたが、年度末時点では推計の途中段階でとどまっている。 租税支出は税目別の減税額の金額としての財政収入へのインパクトに意味があるだけでなく、その減税のもつ政策目的別の間接支出として整理し集計することによって、政策的な意義を見出すことができる。この点に関しては、上記のように最新の研究を取り入れることができた。これは当初の予定にないことであったため、予定していた推計作業に遅れが生じているが、研究を深化させるうえではこのような迂回は有益であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度に予定していた理論的な整理を、初年度に最新文献を入手することができたため部分的に着手することができた。これは全体の計画からは先行しているが、そのため予定していた租税支出の推計には遅れが生じている。 このように先行している部分と遅滞している部分があるが、次年度までの計画から見るとおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究着手からの2年間で、理論的な整理と租税支出の単年度での推計を完了し、学会報告等で成果を発表することを予定している。推計作業の遅れを取り戻せば当初の計画は達成できると考えるので、最初の成果の取りまとめをまず次年度に目指す。これによって3年目以降は当初の成果取りまとめの計画どおりの進行を行うことが可能になると考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に物品費としてパソコン購入を行ったが、予定より低額で購入できた。また旅費も予定より低額であった。研究会は当年度に実施しなかったので、予定していた支出が発生しなかった。 次年度以降の旅費は初年度より少ない額に設定しているが、初年度並みの学会出張を行うと金額に不足が生じると見込まれる。今年度の未使用額の一部は次年度以降の旅費および学会参加費に充当する。また、成果報告のための投稿費用等にも一部充当することを見込んでいる。
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