2013 Fiscal Year Research-status Report
動学的処理効果モデルを応用した既婚女性の労働供給行動の分析
Project/Area Number |
25380382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
岡村 和明 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (70325398)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 動学的処理レジーム |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、動学的処理効果(Dynamic Treatment Effects)モデルを既婚女性の労働力参加分析に応用することにある。本年度の研究成果は以下の通りである。 ・研究計画では25年度の前半で文献のサーベイは終了しているはずであったが、動学的処理(Dynamic Treatment)をキーワードとして過去の先行研究に関するサーベイを進めていたところ、現時点で経済学に応用されている動学的処理効果モデル(Dynamic Treatment Effects)とは別に、疫学(epidemiology)において動学的処理レジーム(Dynamic Treatment Regime)という研究領域が発展しつつある事実を発見した。そこで研究テーマを動学的処理レジームにシフトさせ、疫学の分析フレームを経済学に適用する際の課題について研究協力者と打ち合わせを進めてきた。その結果、経済学でも標準ソフトとなっているSTATAを用いた分析例を見つけるに至り、現在は当該フレームワークでの分析に向けた推定モデルの中身を完成させ、パイロット推計を行っている段階である。当然ながら、分析に用いる(財)家計経済研究所「消費系活に関するパネル調査」の個票パネル・データの申請およびデータの入手、さらには推定で用いる動学的パネルデータの作成は終了済みである。 ・動学的処理レジーム(Dynamic Treatment Regime)の推定方法には大きく分けて3種類があり、先述のSTATAを用いた分析はその一つに過ぎない。3種類の推定方法には一長一短あり、分析の頑健性を確かめるうえでも残り二つの推定方法を試す必要があることから、現在、研究協力者に推定プログラムの設計を依頼しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献サーベイを通じて、従来の経済学の枠組みにとらわれない新たな分析フレームワークに触れ、研究目的を達成するためのアプローチに若干の修正を必要とした点が主たる理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
分析フレームワークも確定し、データ・セットも完成しているので、あとは作業を進めていくのみである。夏には研究協力者が在籍する海外の研究所への滞在が決まっているので、そこでWorking Paperをまとめ、学会・コンファレンスへのエントリーを行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度必要な消耗品はすべて購入済みであったため。 消耗品を購入予定。
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