2014 Fiscal Year Research-status Report
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25380389
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 明彦 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50313226)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 後ろ向き確率微分方程式 / 漸近展開 |
Outline of Annual Research Achievements |
「Close-out価格にカウンターパーティーリスクを織り込んだ信用リスク調整(CVA)の計算方法」の研究の一環として、後ろ向き確率微分方程式(以下、BSDE)の漸近展開法及びその基礎理論の研究、それらの具体的問題に対する応用の研究を行った。この関連で専門誌に掲載された論文としては、Takahashi-Yamada (2014), Kato-Takahashi-Yamada (2014),Fujii-Takahashi(2014), Fujii-Sato-Takahashi (2014), Fujii-Takahashi (2015)が挙げられる。特に、Takahashi-Yamada (2014)では、BSDEの漸近展開法への適用を視野に入れ、オプション価格とグリークスに対する漸近展開による数値近似の精緻な理論的誤差評価を与えた。この結果、オペレーションズリサーチ分野の数理的専門誌、``Mathematics of Operations Research"に掲載された。(Published Online: November 7, 2014, Volume: 40, Issue: 2, primary article) その後、この手法のさらなる発展・応用を研究している。 また、「デリバティブ間のモデルによらない相互依存関係」の研究としては、Takahashi - Tsuzuki (2014)において、無裁定(no arbitrage)を保証する密度関数の補正方法を考案した。特に、無裁定が成り立つとは限らない密度関数の近似法に対して、その近似を基礎として、無裁定を保証するように密度関数を修正する手法を開発した。尚、この計算方法自体はモデルには依存しない一般的な手法である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマに対して取り組むための方法論はおおむね構築できており、今後、構築した理論の精査・検証及び論文投稿を含む仕上げの作業を行う段階に到達したと判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた研究成果をより強固なものにするため理論の精査や検証等を行う。また、研究内容をさらに発展させるために、これまで構築した方法論等が適用可能な新しい応用分野・テーマを検討し、それらを対象に研究を実施する。
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Causes of Carryover |
2014年度の本学経済学研究科大学院入試日程が従来の日程から変更されたこと等により、当初参加を予定していた海外で開催された学会に参加できなかった。また、招聘予定であった海外在住の研究者が先方の事情により来訪できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用計画については、本学経済学研究科に在籍する共同研究者及び、26年度に博士課程を修了した元学生の研究者との共同研究に係る費用、また、国内大学研究者との共同研究のための招へい費用等を予定している。
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Research Products
(6 results)