2014 Fiscal Year Research-status Report
デフォルト危機下のユーロ圏での金融政策と財政政策:内生的デフォルトモデルでの検討
Project/Area Number |
25380400
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岡野 衛士 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20406713)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 最適金融政策 / 最適財政政策 / 共通通貨圏 / 債務不履行 / ソブリンリスク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は平成25年度の理論分析を実証する。まず、平成25年度に構築されたモデルにアドホックな金融政策ルールを導入した上で欧州通貨圏のデータを用いて構造パラメータを高性能PCおよび行列演算ソフトを用い推定した。次いで得られた構造パラメータを所与に平成25年度の理論分析で得られた最適金融政策ルールの下でのマクロ経済変数のパスをシミュレーションで求めそこから推計される厚生コストと、実績値から推計される厚生コストとを比較し、最適金融政策ルールがより低い厚生コストをもたらすことを確認した。推定とシミュレーションはDSGEモデルへのベイズ推定の応用を提案しているSmets and Wouters(2003)、 Lubik and Schorfheide (2004)に従った。 得られた結果は予測されたものと同一であった。パラメータの推定結果はおおむね先行研究と同一で矛盾する事は無く、シミュレーションの結果得られたマクロ経済変数のボラティリティは理論分析で予測されたものときわめてよく似たものであった。理論分析では設定が根案であった一部のカリブレーションバリューは実証分析で明示されたのは大きな成果で有った。またこの値は理論分析で用いた値と酷似しておりますます理論分析の正当性が高まった。 グリッドサーチによって最適政策ルールも明らかにすることができた。最適政策ルールがもたらすマクロ経済変数のボラティリティはシミュレーションと矛盾することはなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パラメータの推定とシミュレーションまで問題なく実行することができた。グリッドサーチによる最適政策ルールのファインディングまで達成したので順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きシミュレーションと最適政策ルールの導出に取り組む。
|