2016 Fiscal Year Annual Research Report
Determinants of risk-taking by banks and firms
Project/Area Number |
25380407
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
安田 行宏 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (10349524)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | リスクテイク / リスク情報 / ディスクロージャー / 社債 / 金融危機 / 銀行借入 / ストック・オプション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度においては、投稿中であったレフェリー付き論文が一本アクセプトされた。この論文は、日本のストック・オプション制度に着目し、企業のリスクテイクに対して実質的な影響をもたらしていないのではないかという問題意識の下で、日本企業の横並び的な行動に焦点をあてて分析をしている点に特長がある。また、ストックオプションの費用計上の制度改革を利用して、ストック・オプション付与に駆け込み的な行動があったことを実証的に示した。これらのいずれもリスク・テイクのインセンティブを企業に与えることが基本機能であるストック・オプションが日本においては十分に機能していないことを示唆する結果であり、今後の報酬制度の在り方を考える上での一つの重要な知見であると考えられる。 その他、昨年度に作成した2本の論文についても、国際学会等での発表で受けたコメントを反映させて海外のレフェリー誌に投稿を行った。これらの論文は企業のリスク情報の開示の観点から企業のリスク・テイク行動との関係を検証した論文であり、強制的なリスク情報開示制度の導入によってリスクテイクが抑制される効果を実証的に示した論文である。 上記の論文の審査結果を踏まえ、それらの論文の修正を適宜行い最終的にアクセプトされることをもって本研究プロジェクトの終了とする。 その他、今回の研究プロジェクトを通じて浮かび上がってきた新たな論点については新しいプロジェクトとして開始することとしたい。
|