2015 Fiscal Year Research-status Report
地域経済と地域金融機関のビジネスモデルとの因果関係に関する実証分析
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25380414
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
播磨谷 浩三 立命館大学, 経営学部, 教授 (90347732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 泰文 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (10359896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地域経済 / 地域金融 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に即し、地域経済と地域金融の競争環境との因果関係について、分析を行った。関西に限定した分析については、既に昨年度までに数本の論文を研究成果として紀要等に公表したが、北海道に限定した分析については、論文こそまとめたものの、投稿した専門誌に採択されず、改訂稿に向けた追加の分析が残されている。地域金融機関の競争の高さと民営事業所の開業の促進や廃業の抑制との間に因果関係は認められないとする、先行研究や直観との整合的な分析結果が得られているものの、なぜ北海道に限定した分析を行っているのかについてレフェリーに意図が十分に伝わっていなかったため、他の地域を対象とした先行研究の見直しについてもあらためて行った。なお、北海道に限定した分析内容の一部については、共同研究者の単著論文として所属先の研究紀要に公刊した。全国を対象とした分析については、地域金融機関の市区町村ベースの店舗データの整理に時間を要したが、「平成24年経済センサス」から引用した民営事業所の開業率、廃業率との因果関係の検証作業は、順調に進めることができた。本研究課題の関連としては、協同組織金融機関の低下し続ける預貸率の問題について、分析内容を要約したレポートを、下記の金融業界紙に公刊した。
「信金・信組の合併効果についての再考察」、播磨谷浩三、『月刊 金融ジャーナル』2015年8月号、pp.22-25.
同様に、地域銀行の越境的な店舗拡張が個々の効率性にどのような影響を与えるのかについて検証した近藤万峰氏(愛知学院大学)との共著論文を、海外の専門誌(Managerial Finance)に公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究期間の延長申請は、研究成果の改訂作業に思うような時間を割くことができなかったためであり、北海道に限定した分析内容については、論文としては既にまとめ終えている。他方、全国を対象とした分析については、試験的な推定こそ終えているものの、コントロール変数の選定など、頑健性の追求に少し課題が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、あくまでも当初予定していた最終年度の研究計画である研究成果の公刊に向けた詰めの作業を行う予定であり、内容に変更は無い。特に、北海道に限定した分析内容については、投稿した初稿に対するレフェリーからの指摘への対応は既に着手しており、追加の分析に際して不足するデータベースの整備を早急に行い、改訂稿の完成を目指したい。
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Causes of Carryover |
最終年度に予定していた2本の研究成果(1本は改訂稿)の完成が当初の研究計画期間内に間に合わず、英文校正費と投稿料の支出がなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の2本の研究成果の公刊に必要な英文校正費と投稿料に最優先で使用する予定である。また、投稿に際して最後の打ち合わせを行うため、国内出張旅費としても一部を充当したい。
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Research Products
(3 results)