2014 Fiscal Year Research-status Report
日本における医療の経済史―放射線器械の普及を中心に(1890-1960年)―
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25380424
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
ドンゼ ピエール・イヴ 京都大学, 白眉センター(経済学研究科), 准教授 (20635718)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医療史 / 放射線装置 / 日本 / 産業史 / 技術史 / 放射線学 / 医療器械 |
Outline of Annual Research Achievements |
①予定通りに、研究期間2年目においては、放射線器械メーカーの経営史を解明するために、東京(国会図書館・厚生労働省図書館)、ドイツ(Siemens Med-Museum)とイギリス(Manchester University Library Archives)に史料調査をした。 ②集まった史料に基づいて、海外で2回研究報告を行った。Leeds(イギリス)での「Medicine, Patenting and Ownership in Historical Perspective」学会で日本の医療器械・放射線器械メーカーの特許戦略を課題としながら、企業と医師の協力を明らかにした(2014年7月15日)。また、Lausanne University(スイス)で、日本と南米諸国における病院建築と放射線器械の普及に関して、比較分析の結果を発表した(2015年3月13日)。 ③これらの報告に基づいて、2015-2016年に出版する予定の国際雑誌と論文集へ二つの論文を準備した。 ④2015年8月に京都で開催される世界経済史会議(WEHC)にてThomas David教授(Lausanne University、スイス)と共に「Globalization of Medicine, 1850-2000」に関するセッションを準備し、2015年3月12-13日にLausanne Universityで国際学会を共催した(欧米日から18報告者)。 ⑤研究期間最終年度に『医療の経済・経営史―放射線器械の普及を中心に(1890-1960年)』の原稿のために、「日本における放射線学の誕生・発展」(仮題)と「放射線器械産業の形成・発展」(仮題)の章を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
去年、「日本における放射線学の誕生・発展」(仮題)の章の作成が遅れていると報告しましたが、今年、同章の作成は完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に関して、計画に従い、研究を推進する予定であり、病院の経営史の観点から、病院の組織・経営に対して、新しい技術としての放射線器械の役割を分析する。この研究はとくに諸病院の文書と出版された様々な『○○病院史』に基づいて、史料調査のため国内出張する予定。 8月に京都で世界経済史会議においてセッションをDavid教授(Lausanne University)と共催する。また、12月に欧州における医療ビジネス経営史の専門家Paloma Fernandez教授(University of Barcelona, スペイン)とワークショップを共催する予定。 今年度にも、「医療技術と病院経営の近代化」に関する1章を作成する予定。なお、出版社と出版契約の交渉を進めたい。
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Causes of Carryover |
物品費の残り
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品あるいは出張のために使用する予定。
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