2015 Fiscal Year Research-status Report
戦後地方工業集積のダイナミックな展開に関する基礎的研究―家具産業を事例に―
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25380427
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
張 楓 福山大学, 経済学部, 准教授 (30467758)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 創業 / 分業 / 技術蓄積 / 機械工業 / 備後地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては戦後地方経済のダイナミズムを析出すべく、基幹産業としての機械・金属工業に関する資料調査と企業経営者へのヒヤリングを進めてきました。具体的に広島県東部技術センターが所蔵する試験報告書、また広島県立文書館が所蔵する「資金・設備近代化資金」関連資料、福山市にある広島県東部機械金属工業協同組合が所蔵する組合運営資料、福山市のホーコス社に所蔵されている戦後広島県工作機械工業協同組合の資料に対する収集を進める一方、機械・金属工業関連メーカーと部品加工業者80社に対してヒヤリング調査を行ってきました。こうした様々な一次資料にもとづき、「備後地域機械・金属工業の100年」を題とする報告と講演を3回にわたって行ってきました。①平成27年7月23日開催の中国銀行福山支店備後経済懇話会、②同年10月15日開催の備後経済研究会(福山大学)、③平成28年3月7日開催の広島県議会予算特別委員会参考人意見発表(広島市)です。平成28年6月中に論文「備後地域機械工業集積の100年―創業と分業、技術蓄積に着目して―」を発表する予定となっています。 また同時に工業デザインの研究も進めてきています。代表者が主催するデザイン研究会は5月16日に同志社大学今出川キャンパス、10月18日に中津川市にぎわいプラザにて2回を開催しました。10月の研究会では「『工芸ニュース』について:1955・56年を中心に」をテーマに報告しました。平成29年度の全国大会パネル・ディスカッションにむけて共同研究をさらにすすめていく予定です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度から戦後地方工業集積の総合的研究をめざして備後地域の家具や繊維産業にとどまらず、機械・金属工業に関する資料調査・経営者へのヒヤリングを行ってきました。地元企業経営者の強い関心もあっておおむね調査が順調に進んでいます。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまで取り組んできた備後地域の下駄産業と家具産業、そして機械・金属工業の3つの産業を事例に近現代地方工業集積のネットワークをテーマとする単著の刊行にむけて具体的な執筆を進めていきます。
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Causes of Carryover |
福山や府中における資料調査や業者への聞き取り調査は実質、自家乗用車で行っており、出張費用は発生しなかったためです
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たに機械・金属工業の調査を行います。また単著に向けての作業において広島や大阪、東京への出張が予定されます。
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