2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental research on dynamic development of regional industrial districts after World War II
Project/Area Number |
25380427
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
張 楓 福山大学, 経済学部, 准教授 (30467758)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 備後地域 / 機械工業 / 産業集積 / アパレル |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては戦後地方経済のダイナミズムを析出すべく、平成26年度から本格的に調査してきた基幹産業としての機械・金属工業に関して「備後地域機械工業集積の100年」(福山大学経済学部Discussion Paper Series No. 2016-J-016、2016年8月)をまとめあげました。科研費により調査報告書250冊を製本して主に地元企業や業界団体、行政に配布を行いました。その後、福山市にある中堅機械商社の栄工社は、筆者の本格的な調査とそれに基づく客観的な分析を知り、より多くの地域内外の企業や行政機関にも読んでもらえるよう、『備後の機械工業100年の歩み』に再編集して2016年12月に非売品の形で刊行しました。それにより大きな反響が起きており、現在でも各方面から様々なコメントと感想が寄せられています。また、福山商工会議所主催のローザサロンおよび福山医師会にて2017年1月と3月に機械工業に関する招待講演を行いました。 つぎに、アパレル産業の研究を進めていますが、広島県アパレル工業組合とカイハラ本社所蔵の広島県織物構造改善工業組合の資料の収集と撮影はすべて順調に完了しました。現在、分析を進めており、平成29年度中に論文の執筆を行う予定です。 初年度平成25年度から戦後地方工業のダイナミズムを析出すべく、全国家具産業の展開を中心に調査研究を進めてきましたが、平成26年度に研究活動の拠点を広島から福山に移した後、備後地域の地方経済と機械工業展開に対する歴史的研究の必要性と喫緊性を感じて、全国家具産業を中心とする調査研究から、備後地域の産業集積に焦点を当てる調査研究に変更を行ってきました。研究対象が大きく変わりましたが、しかし備後地域の産業集積に対する調査研究を通じて、当初の目的である地方経済のダイナミズムの析出に成功しているととらえています。
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