2015 Fiscal Year Annual Research Report
第二次世界大戦期における航空機用ガソリンの国際的な技術移転
Project/Area Number |
25380432
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三輪 宗弘 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30279129)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 航空機用ガソリン / スタンダード石油 / ソコニー / EXXONMOBIL / 米国戦略爆撃調査団 / 技術移転 / 第二次世界大戦 / 石油補給 |
Outline of Annual Research Achievements |
テキサス大学Austin校のBriscoe Center for American Historyに所蔵されているExxon Mobil資料で航空機用ガソリン製造関係資料(新技術・生産拡張・雇用労働・戦時動員)を調査した。スタンダード石油(New Jersey)が月次で発刊しいる社内報The Lampには、技術開発の記述があり、昭和14(1939)年から昭和22年まで目を通し、主に航空機用ガソリンに関する記述をデジタルカメラで撮影した。第二次世界大戦で米国などの連合国で、またドイツや日本で石油がどのような重要な役割を果たしたのかについても考察を加えており、技術移転に関する有益な情報を得られた。航空機燃料などの石油を補給し、製造した企業の視点からみた資料を収集できた。戦時徴用に伴い人手不足対策として女子労働力の活用されたが、労働関係の資料もデジタルカメラで撮影した。また写真(EXXONMOBIL HISTORICAL COLLECTION PHOTOGRAPHS, 1873-1999)も膨大な量が保管されていたので、日本関係と航空機燃料関係の写真を撮影した。ビルマルートなどの連合国の石油補給に関する写真も撮影した。 前年度までの2年間の調査で個別企業の事例が不足していたが、米国の中核企業の航空機用ガソリンの技術開発を詳細に跡付けることが可能になった。 スタンダード石油の社史編纂に資料された文献も残され、整理されていた。スタンダード石油、ソコニー スタンダードバキュームオイル等の会社関係資料が充実しており、航空機燃料の生産や技術に関する資料を収集できた。膨大な量の企業の資料を入手したので、分析に時間がかかっている。 ロンドンで刊行された『Science of Petroleum』は九州大学附属図書館に所蔵されており、技術の概要をつかむことができた。同書は技術開発の経緯がよくわかるように記述されていた。 日本の国立国会図書館の占領期のデータベースで検索を行い、米国戦略爆撃調査団の資料で石油というキーワードで調べた。
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