2013 Fiscal Year Research-status Report
組織開発のプロフェッショナルによる実践知生成のメカニズム
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25380457
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐野 享子 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (10334020)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 組織開発 / use of self / 省察 |
Research Abstract |
本研究は、組織開発(organization development:以下ODという)のプロフェッショナルが生成している実践知がいかなるものであり、いかにしてそれらが生成されているのかを実証的に解明することを目的としている。今年度は、先行研究の検討を行って実証研究のための分析モデルを構築した。また、予備調査としてOD実践者に対する聞き取り調査等を行い、リサーチデザインを精査した。 ODは、組織自身が自らの変革に携わっていくことができる力を身につけることを意図して組織に働きかけを行うものであり、そのプロセスに介入するOD実践者(組織に働きかけを行う者であり、組織外のコンサルタントのみならず組織成員も該当する)によるファシリテーションの役割が重要となる。その際の鍵となるのが、変革のプロセスにおいて、OD実践者が観察したことやOD実践者自身の価値観を通して捉えたことの気づき(use of self)であると言われている。 今年度は、OD実践者のuse of selfに関連する研究、OD実践者の役割認知に関する研究、OD実践者の省察に関する研究に焦点を当てて検討を加え、今後の研究課題を抽出した。また、プロフェッショナルのOD実践者が加入するコミュニティである「ODネットワークジャパン」に加入し、各種研究会等に参加する機会を通じて、OD実践者より実践事例を収集し、本研究におけるリサーチデザインの設計に役立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロフェッショナルのOD実践者が加入するコミュニティに加入したことにより、多くの実践事例を収集するとともに、本研究に対して実践者の方々から協力をいただける環境が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度収集した事例の中から、組織外のコンサルタントと組織内においてODを実践している者をそれぞれ対象とし、クリティカル・インシデント法によってこれまでのOD経験について省察してもらうことを意図した半構造化インタビューを実施する。 具体的には、実践経験年数が5年以上の者と5年未満の者を複数選び、両者を比較することを通じて、OD実践のエクスパートが有する実践知の特質を明らかにする。
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