2015 Fiscal Year Research-status Report
組織開発のプロフェッショナルによる実践知生成のメカニズム
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25380457
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐野 享子 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (10334020)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 組織開発 / コンサルテーション / クリティカルインシデント法 / use of self / 気づき / 信念 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、組織開発に従事する外部コンサルタントの実践知を明らかにするため、これらの方々を対象とした半構造化面接を実施し、定性的な分析を行った。 具体的には、クリティカルインシデント法を用いて、うまくいったコンサルテーション経験とうまくいかなかったコンサルテーション経験の中の、ヒューマン・プロセスに関わる局面を想起し、うまくいった要因、うまくいかなかった要因が何だったのか、それぞれ具体的に語っていただいた。主な質問項目は次のとおり。①うまくいったコンサルテーション経験について:どこがうまくいったのか。うまくいった要因(トリガー)は何か。その経験から学んだことは何か。②うまくいかなかったコンサルテーション経験について:どこがうまくいかなかったのか。うまくいかなかった要因(トリガー)は何か。その経験から学んだことは何か。③熟達したコンサルタントに対して:若手のコンサルタントに対してここを指導したいと思う点があるか(非熟達者に対して:身近にいる優れたコンサルタントで“ここが優れている”と思うところはどこか)④ヒューマン・プロセスに関わるコンサルタントの資質として重要な点は何か。⑤自分自身で更にどのような点で成長する必要があると考えているか。そのために日頃から心がけていることがあるか。 分析の結果、コンサルタントのuse of selfに結びついていることが予想される気づきや意識、コンサルテーションに従事する上でのコンサルタントとしての信念のタイプをそれぞれ抽出することができた。コンサルテーションに関わる信念については様々なタイプが見られ、熟達者間においても共通する特徴的な傾向が見いだされるわけではなかった。また、コンサルテーション経験における気づきや意識については、うまくいかなかった経験について語られた要因の中に、熟達者と非熟達者との間で特徴的な差異が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予期せぬ家庭の事情により、余裕を持って十分な時間を研究活動に費やすことができなかった。その結果、研究期間を当初より1年延長し、平成28年度まで研究を実施することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果を総括し、熟達したコンサルタントの実践知を非熟達者との比較を通じて明らかにする。具体的には、昨年度までの成果を更に詳細に分析・解釈し、追加する必要があるリサーチを実施して、最終的な研究成果としてまとめる。
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Causes of Carryover |
予期せぬ家庭の事情により、余裕を持って十分な時間を研究活動に費やすことができなかった。その結果、研究期間を当初より1年延長し、平成28年度まで研究を実施することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画のまとめに使用する。
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Research Products
(1 results)