2013 Fiscal Year Research-status Report
環境変動に対する組織適応プロセスのミクロ・マクロ統合的理論構築と定量的実証分析
Project/Area Number |
25380458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
稲水 伸行 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (50572830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 光啓 成蹊大学, 経済学部, 講師 (80572833)
鈴木 信貴 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70572832)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 経営組織 / 組織学習 / 管理者行動 |
Research Abstract |
本研究は、生産職場を主な対象として、ミドルに位置するリーダーの行動実態をさまざまな定量化手法を用いたフィールド調査で明らかにした上で、シミュレーション手法によるモデル化を行い、ミクロ(個人)とマクロ(組織)の統合的視点から新たな組織適応理論を構築することを目的としている。 平成25年度は、自動車企業X 社を中心に3つの点からフィールド調査を行った。(1)現場リーダーとチームの生産性について、現場リーダーのビデオ撮影とTime Study などで分析、(2)現場リーダーの人的ネットワークが革新にもたらす効果について、現場リーダーの情報伝達ノートをText Mining などで分析、(3)組織目標と成果の因果メカニズムについて、各種生産性指標の時系列解析により分析、である。 この結果、(1)と(3)について、英文査読誌Journal of Organizational Change Managementに、グループリーダーのビデオ分析および、リーダー行動と生産性パフォーマンスの関係の分析をした研究が採択された。また、EurOMA(European Operations Management Association)の第20回国際会議(於アイルランド・ダブリン)において、グループリーダーの行動分析と、それをコンピューター・シミュレーションによりモデル化・分析した研究が審査・採択され、報告を行った。 (2)については、グループリーダーのコミュニケーション・ノートに関するテキスト分析をおこなった研究がEurOMAの第21回国際会議(於イタリア・パレルモ)で審査・採択され、報告する予定となっている。 そのほか、グループリーダーを中心とした組織の環境適応プロセスを定量的に把握するための質問紙調査の設計も進めた。プレ調査も終え、今後本格的調査を実施できる段階まで来ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動車企業X社における綿密なフィールド調査により、多くの定量的なデータを収集することが出来、なおかつそれらを英文査読誌1編、査読付国際会議1編(報告予定)に採択されるなど、順調に成果を挙げている。 また、これらのデータから明らかとなった現実像をもとに、シミュレーション手法を用いてモデル化することが本研究課題の特色だと言えるが、この点に関しても査読付国際会議1編(報告済み)に採択されるなどしており、評価できる。 今後は、X社以外の企業での調査を通じて比較分析をする必要があるが、そのための質問紙設計とプレ調査も既に実施することができ、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、2つの査読付国際会議での報告内容を加筆・修正し、英文査読誌に投稿することが必要である。 また、X社以外の企業での調査を実施し、比較分析を行いながら、理論構築を進めていく必要がある。この点については、研究計画通り、X社と同レベルのフィールド調査は困難であることから、質問紙調査による定量分析を考えている。マクロ(工場・事業所)、メゾミクロ(リーダー)、ミクロ(現場)の3層に分けた質問紙を設計済みであり、プレ調査も終えている。調査協力企業の探索、質問紙の配布回収を計画し、実行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
理由は主に以下の2つである。1つ目は、国際学会・国内学会参加旅費が当初計画よりも少額で済んだためである。2つ目は、国際学会応募論文および英文査読誌投稿論文の英文校閲費として使用予定であったが、論文作成に時間がかかり、次年度に繰越となったためである。 国際学会報告予定論文および英文査読誌投稿論文の作成を終え、英文校閲費として使用予定である。
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Research Products
(4 results)