2014 Fiscal Year Research-status Report
企業価値評価におけるプレミアムとディスカウントの実証研究
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25380461
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
砂川 伸幸 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90273755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中岡 孝剛 近畿大学, 経営学部, 講師 (50633822)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 企業価値評価 / サイズプレミアム / 非流動性ディスカスント / クロスボーダー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,クロスボーダーの企業価値評価,カントリー・リスクプレミアム,サイズプレミアム,非流動性ディスカウント等に関する文献研究を行い,その成果の一部を砂川・笠原(2015年)に掲載したり,サーベイ論文としてCFO FORUMに投稿したりした。また,CAPM型サイズプレミアムの試験的な実証研究を行い,神戸大学大学院経営学研究科ディスカッション・ペーパーとしてまとめた。 クロスボーダーの企業価値評価では,資本コストの算出方法が問題になる。主要な方法として,グローバルCAPMを用いる方法とローカルCAPMを用いる方法を比較し,カントリーリスクとしてソブリンスプレッドを用いれば,両者の間に整合的な関係が成り立つことを確認した。また,クロスボーダーの企業価値評価では,資本コストとフリー・キャッシュフローの間の通貨を整合させることも重要になる。整合性を維持するために,フリー・キャッシュフローを変換する方法と資本コストを変換する方法があること,二つの方法に関する数値シミュレーションを行い,シンプルなバージョンを砂川・笠原(2015年)に紹介した。 日本におけるCAPM型サイズプレミアムの実証研究は,実務界からの要望が強いテーマである。一方,学会では多変量の資産評価モデルが注目されているため,重要な研究テーマとして扱われてこなかったという経緯がある。両者の溝を埋めるべく,近年の日本株式市場のデータを用いて,CAPM型のサイズプレミアムの実証研究を行った。試験的な検証の結果,サイズプレミアムは,その有無に関する有意性を含めて,サンプル期間によって大きく変動することが分かった。この点については,今後も研究を進めていく。 また,非流動性ディスカウントをDCF法において用いるのは理論的に整合的ではないという結論を導いた。最近の司法事例においても,同様の考え方が適用されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究計画は,文献研究と,データベースの構築を行いそのプロセスで見出されたことを発表するというものであった。研究実績の概要で示したように,研究は概ね当初の計画通り進んでおり,研究成果も発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に従い,着実に研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
物品費について若干の繰越が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ファイル等に使用する計画である。
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[Presentation] 経営と財務2015
Author(s)
砂川伸幸
Organizer
日本経営財務研究学会
Place of Presentation
甲南大学(兵庫県神戸市)
Year and Date
2015-03-28 – 2015-03-28
Invited
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