2013 Fiscal Year Research-status Report
経営学における「リガーvs.レリバンス」問題に対する実践的研究
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25380462
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
松嶋 登 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10347263)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 厳密性 / 有用性 / AIS / 参照学問 |
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| Research Abstract |
本研究の目的は、情報経営学（AIS: Academic Information Systems）における「リガーvs.レリバンス」論争を手掛かりに、今日の経営学が直面している、学問としての厳密性と適切性とのジレンマを解消することである。なお本研究では、従来までの議論のように思弁的な考察に留まらず、より具体的に厳密かつ適切な経営学研究を実践することを最終到達点としている。
本年度の研究実績については、当初の研究実施計画に沿って、『日本情報経営学会誌』において、研究代表者が編集責任者となった「リガーvs.レリバンス」に関する特集号の発刊に向けた取り組みを行ってきた。現在もすべての論文が出揃っているわけではないが、2014年2月には特集号の上巻を公刊することができた。上巻のみを発刊する結果ではあったが、具体的なコンテンツとしては、当初に予定されていた論者の論文は凡そ掲載されており、十分な質と量が確保できたと考えている。下巻には、筆者が指導する大学院生を含めて、より発展的な議論を掲載した特集号の発刊を目指したい。
次に、当初の研究実施計画に沿って、筆者が過去に行ってきた経験的調査の二次分析を行ってきた。とくに、既にアクションリサーチの形で行ってきた、シャープの緊急プロジェクト制度に関する研究を、理論的に精緻化したものを公刊してきた。さらに、本年度は、すでにこれを英文化する作業を済ませており、来年度以降に海外の英文ジャーナルに投稿していく予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画のとおり、今年度は特集号の発刊と、過去の経験的調査の二次分析を行ってきたという意味では、順調な進展である。
しかし、特集号の発刊については、今年度は上巻を発刊したものの、来年度に下巻の発刊を行うことになった。ただし、これは研究の遅れというよりは、より発展的な議論が生じたためであることを考えると、研究進捗としてはおおむね順調であると考えられる。
また、経験的研究については、本年度は過去の調査の二次分析を行ってきたが、来年度以降はさらに、新たなリサーチサイトを開拓する予定である。この点について、既に地域開発に対する企業の役割が検討できる、興味深いリサーチサイトを得ることが出来た。来年度以降の研究に対する準備が整いつつあるという意味でも、研究進捗はおおむね順調であると考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画であるが、第一に、本研究テーマに拘わる学術雑誌の特集号の発刊を引き続き行う。とりわけ、下巻では、本年度に発刊した上巻の内容を踏まえ、研究代表者自身の論文や、共同研究者や指導する大学院生との共著論文を掲載する予定である。
また、上述の特集号に収まりきらない議論は、別の学術雑誌の論文として公刊していく予定である。具体的には、近年のAIS領域で注目が集まっている。制度と物質性に関する議論については、一方で制度論の学説のなかでその位置づけを考える必要がある。そのためのレビュー論文を作成する予定である。
さらに、積極的に海外の英文ジャーナルへの投稿を行っていく。既に研究実績概要で触れたように、研究業績の英文化は進んでおり、今後は投稿に向けた準備を進めていく予定である。
第二に、新たな経験的調査を行っていく。具体的には、三井商船客船のツーリズムを通じた地域開発事例等、新しいリサーチサイトを開拓し、地道にケーススタディを積み重ねていきたい。なお、地域開発に関しては、本研究テーマの特集号を編集している学会における全国大会（秋季）においても、本格的に議論する予定である。研究代表者は、大会運営にも運営委員として関わっており、学会活動と研究を同時に、強力に推進していく予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
まず、昨年中に購入予定であった作業用ノートパソコンの発売が遅れており、次年度の当初に納品されることになった。次に、初年度に計画していた、研究テーマに関する特集号の発刊について、上巻のみならず下巻の発刊が必要になった事情が挙げられる。これは、必ずしも研究進捗の遅れではなく、研究テーマの進化によって下巻が追加されたものであるが、研究成果を議論するための研究会や旅費に関する支出が必要になるために、旅費を先送りにしてきた。さらに、経験的調査について、本年度は過去の調査結果の二次分析に留まり、調査旅費がかからなかったことがあげられる。最後に、英文投稿の準備は進めたものの、まだ実際に投稿を行っておらず、投稿時に必要な校閲費用が執行されていない。
まず、購入を予定していた作業用ノートパソコンを購入する。次に、下巻の発刊に向け、必要な研究会を行う。さらに、新たな経験的調査のために旅費が必要になる。とりわけ、日本情報経営学会の秋季大会にむけ、ツーリズムと地域開発のケーススタディを行い、また統一論者のテーマ打ち合わせを行うための旅費がかかるであろう。最後に、英文ジャーナルへ投稿するに当たり、専門業者による校閲費用が必要になる。
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Research Products
(3 results)
