2014 Fiscal Year Research-status Report
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25380463
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 竜太 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80295568)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学習行動 / キャリア課題 / 職場マネジメント / 相互依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は、研究課題に沿って3つの活動を行った。1つは、データの収集である。具体的には職場における学習行動に関して、約500人を対象とした質問紙によるデータを収集した。この調査では、学習行動だけでなく、リーダー行動ならびにキャリア発達に関する質問も広く行った。2つめに文献の渉猟である。今年度は、主に多様性ならびにフォートラインの概念に関する研究、フォートラインの尺度に関する研究について中心的に文献を検討した。フォートラインとは、いくつかの多様性の軸によって構成される職場や集団における溝を意味する概念であり、単なる多様性だけでは計れない複数の多様性の軸によるフォートラインの強さを測定する尺度が必要となる。近年その尺度とその計算方法に関して研究が進んでいる。これら多様性ならびにフォートラインの強さと学習行動などの関係を検討するために、フォートライン研究に関して集中的に文献をあたり、論文を執筆した。3つめに、すでにあるデータを用いて、2つの学習行動をもたらす職場の要因を分析した論文と、キャリア中期の課題に関する論文を執筆した。前者は、職場における情報の開放性と集団の凝集性の組織学習と個人学習行動への影響を実証研究で明らかにしたものである。分析結果は、予想に反して2つの職場要因は学習行動に影響を与えていなかったが、個人学習の組織学習への効果に影響をあたえる媒介変数としての効果があることが示された。後者の論文は、キャリアに関する組織の要請と個人の要請の2つの観点から、中期キャリアを理論的に検討した。検討からは、この相反する2つのキャリア上の要請が組織内キャリアを歩み人に対して、キャリアの停滞と責任の回避という課題を引き起こしていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献の渉猟、データの収集、過去のデータの分析と論文の執筆に関しては順調に進んでいると言える、
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は、26年度に集めたデータの分析を行う。合わせてすでに収集してある職場レベルの変数が含まれたデータを分析し、職場やキャリアの要因と2つの学習行動の関係について実証レベルで明らかにしていく。あわせて、多様性やフォートラインの観点から、これらの変数と学習行動を始めとする個人行動の影響に関するデータの収集の準備を行う。
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Causes of Carryover |
26年度は論文執筆ならびにデータの収集のため、国際学会をはじめとする学会への参加ならびに発表による旅費の発生がほとんどなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は、海外学会への参加を予定している
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