2013 Fiscal Year Research-status Report
アジアにおける循環型サプライチェーンの形成に関する実証研究
Project/Area Number |
25380465
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
島田 智明 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (40410229)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 循環型サプライチェーン / アジア / 製造業 / 持続可能 / 企業の社会的責任 |
Research Abstract |
当該年度は、三年計画の初年度に該当し、文献調査、つまり、関連論文・資料の検索、収集、整理から研究に着手した。循環型サプライチェーンに関する研究について、拡大製造者責任(EPR)や企業の社会的責任(CSR)という考えのもと、理論的研究に加え、企業との実践的研究がたくさん存在する。しかしながら、実践的研究において、一企業の循環型サプライチェーンの取り組み、あるいは、複数企業の特定国における取り組みがほとんどで、国際間における循環型サプライチェーンに関する実証研究はほとんど存在しない。したがって、あるコピー機メーカのアジア全体における循環型サプライチェーンに関して、事例研究することから始めた。 また、並行して、アジアのほとんどの国が新興国であることを考慮して、以前収集したデータを用い、製造業に関する新興国と先進国の比較分析を行った。まず、新興国と先進国のデータを混在させた全データを用い、工場における総合的競争力とオペレーション戦略の関係を分析した。しかしながら、統計的に有意な結果があまり得られず、(1)新興国と先進国を分けたデータの使用、そして、(2)線形回帰分析モデルではなく、非線形回帰分析モデルを利用することにより、統計的有意性が得られ、さらに、モデルの説明力も向上するという興味深い結果が得られた。それぞれの理由を分析した結果、以下のことが解明された。(1)総合的競争力とオペレーション戦略の関係において、新興国と先進国では正反対の効果があり、データが混在すると効果が打ち消しあう、(2)総合的競争力とオペレーション戦略の関係には、線形的ではなく、非線形的な側面がある。(1)と(2)の分析結果をそれぞれ論文に起こし、(1)に関しては、国際学会でProceedingsとして採択され、論文掲載が確定しており、(2)に関しては、国際学術論文誌で、現在第二ラウンドとして査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査、つまり、関連論文・資料の検索、収集、整理に関しては、順調に進んでいる。実践的な部分として、あるコピー機メーカのアジアにおける循環型サプライチェーンを事例研究しているが、アジア規模で研究協力を求めているため、様々な部署が関与し、手続きで遅れている。同様の理由で、他の電気電子機器メーカへの工場訪問やインタビュー調査が十分に実施されていない状況である。したがって、全体的に考えると、研究プロジェクトはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
一年目でやや遅れている実践的な研究部分に関して、二年目で遅れを取り戻し、三年目は予定通りに研究を遂行する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
文献調査以外に、実践的な部分として、企業に研究協力を求めており、工場訪問やインタビュー調査等が手続きのために遅れている。 当該年度で遅れが生じた実践的な研究部分に関して、次年度で遅れを取り戻す計画なので、当該年度に計上されていた使用額は、次年度において使用される予定である。
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Research Products
(5 results)