2013 Fiscal Year Research-status Report
国際開発型ビジネススキームモデルとしてのBoPビジネスの調査・実証研究
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25380466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
高岡 伸行 和歌山大学, 経済学部, 教授 (90304922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水村 典弘 埼玉大学, 経済学部, 准教授 (50375581)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | BoPビジネス / CSV / 社会的責任ビジネスの制度 |
Research Abstract |
国連ミレニアム開発目標(MDGs)の経緯や動向をフォローし,営利企業によるビジネスとしてMDGsにコミットし得る領域とそのコミットの仕方やアプローチの学術的特徴についてまとめ,研究論文を発表した。 またMDGsへの有力なアプローチの一つとされるBoPビジネスに関する国際シンポジウム(BoP Summit 2013,October 21-23, 2013 Ross School of Business University of Michigan Ann Arbor, MI;BoP Global Network Summit 2013,November 7-8, San Paulo, Brazil)に出席し,BoPビジネスの理論的,実務的な最新動向の把握と関連研究者や実務家との交流を図った。 国際開発型ビジネススキームの枠組み整理と実践に向けたビジネス様式やそこでの課題抽出のために,以下の関連概念の関連性およびMDGsの達成に果たすポテンシャルを,経営学における関連概念との系譜づけを行いつつ,研究成果としてまとめ,報告した。まずMDGsのビジネスモデルとして国連によって提唱されているインクルーシブビジネスとハートやプラハラードなど経営学者らの提唱するBoPビジネス概念との関連性を整理し,CSR(企業の社会的責任)論や戦略ベースのCSV(Creating Social Values)論との概念的な相似や差異を考察した。 こうした理論的検討および関連研究者・実務家との懇談から,研究代表者は国際開発型ビジネススキームの制度モデルの検討に(たとえば米国のベネフィットコーポレーションなど),研究分担者はCSVからの日本企業によるBoPビジネスの展開からのMDGsへのコミットの可能性の検討に力点をおく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者,分担者とも学内業務の予期せぬ増加と個々の研究の遅延のため,かつそれらに付随し,打合せ等,共同でヒアリングや報告会を行うスケジューリングがうまくいかなかったことによる。 今後は個別に研究を推進し,一定の進展後にすり合わせを行うスタイルに変更する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者はMDGs実現に向けたビジネスモデルとビジネスの制度の考察を主に,理論研究,文献研究および海外の機関投資家とのヒアリングから進める。 研究分担者は,日本企業,とりわけ大手多国籍企業におけるCSV活動の事例研究および担当者のヒアリングを中心に,CSVを通じた日本企業によるMDGsへの貢献の方法や枠組みの検討を進める。 なお日本企業によるBoPビジネスやCSVを通じたMDGsへのコミットに関する事例やヒアリング対象として,国内在所事業所を念頭においていたが,海外の国内事業所における取り組みをも調査,ヒアリングの対象とすることで,研究の達成度の遅れをカバーする。また日本国内およびMDGsの実践場所となる主として途上国における事業所ではなく,第三国における日系企業の当該国およびBoP市場などにおけるCSV活動を調査対象にする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
端数残金である。 文房具などの備品購入に充てる。
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