2015 Fiscal Year Research-status Report
組織社会化の作用と成果の経年研究-コンティンジェンシー要因としての時間-
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25380480
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
小川 憲彦 法政大学, 経営学部, 教授 (30434179)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 組織社会化 / 組織社会化戦術 / プロアクティブ行動 / 適応学習 / 役割志向性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織社会化(ある組織における個人がその役割を遂行する上で必要な技術や知識を習得する過程)を促す作用とその効果について継時的測定データの分析を通じて実証的に検討することである。 組織社会化を促す説明変数については、1.経営組織が新たに組織参加しようとする個人に対して働き掛ける施策としての組織社会化戦術、2.組織に参入する個人が組織や職務遂行のために自ら自主的に学習を行うための働きかけであるプロアクティブ行動の5年目の測定がなされた。また、それら組織社会化の促進要因が作用すると仮定される被説明変数としては、3.組織全体に関する知見、職場の人間関係に関する知見、および職務遂行に必要な技能に関する学習を照射する適応学習、4.当該個人がどの程度組織に大して情緒的に肯定し、同一化しているかを把握する組織コミットメント、5.与えられた役割遂行に対する姿勢である役割志向性、および6.逆に社会化の失敗を意味する離職意図についての経年変化について5年目の測定が行われた。 従来の組織社会化研究では通常1年以内の新人の適応のみ短期的視点で扱われることが大半であったが、本研究ではほぼ例を見ない5年間の変遷調査が行われており、この点において学術的な価値が認められる。加えて、どのように人材を戦力化し育成していくのかに関して、どのような働きかけがどのような効果をもたらしうるのかについての実証的な知見が得られることが予想される。 現在はそれら結果の分析及び集約が行われている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来は調査結果を集約し論文の投稿等が遂行される予定であったが、研究者の体調不良によって分析、執筆が予定よりも遅れている。ふがいなく申し訳なく感じております。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は収集したデータに基づく分析とその成果の公表のための執筆を行う。それらが遅延した原因である体調不良に関しては、やや改善の兆しが見えるものの、完全な回復には手術を要するため、医師・病院との手術・入院の日程の調整が必要になる。このため、ある程度の日数が必要と考えられ、課題の延長を申請した。論文化の前に、少なくとも分析を進めることで学会発表や論文投稿の下準備を行う。
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Causes of Carryover |
研究者の体調の不良により分析・執筆が遅れた。このため学会発表の旅費、および英文執筆後の外部業者による校正費用などを予定していた分が使用できなかった。ふがいなく申し訳なく存じます。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
英文での論文執筆ならびに学会発表資料の英文における外部による校正費用をまず予定している。その上で論文投稿に必要な諸費用および海外での学会発表における旅費を予定している。
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Research Products
(3 results)