2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小橋 勉 愛知工業大学, 経営学部, 准教授 (20324444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 達章 金城学院大学, 国際情報学部, 准教授 (00335001)
趙 偉 中部大学, 経営情報学部, 准教授 (60303583)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 組織間関係 / 合弁 / 国際化 / 知識移転 / 学習 / 文化 / 労使関係 |
Research Abstract |
25年度は、理論的枠組みの方向性の導出とNUMMI経験の体系化のためのヒアリングという視点から、以下の3つの点から研究を計画していた。 1)理論的枠組みの構築:合弁と知識移転についての各種文献をレビューし、重要な課題を抽出した。それは、掲示的・長期的な視点、多様な主体間の相互作用、知識移転ということである。ここで、考慮すべき主体とは計画時点から増加し、UAWなども視野に入れるべきであることが明らかとなった。 2)ヒアリング:25年7月にNUMMIのトップ層という位置にあった方へのヒアリングを行い、必要資料についての指摘等をしていただいた。同氏には、今後も定期的にお会いいただけることとなり、また必要に応じて、関係者をご紹介いただけることにもなった。また、『トヨタウェイ』の著者であるライカー教授と共同で研究を進めている方を連携研究者としており、同教授を訪ね、資料収集および関係者紹介について、多大な示唆をいただいた。この中で労働協約といった資料の入手も実現性を帯びてきた。 3)成果公表:理論的枠組みやNUMMIでの経験の体系化について学会報告を行う予定で会ったが、この点ではやや遅れが生じてしまった。これについては、26年度の早い時点で報告を行うことで対応したいと考えている。論文や書籍の出版という点では、組織間関係論に関するレビューが出ており、本研究の根幹に関わる論点の理論的検討という位置づけになる。 計画通りに進められなかった部分もあるが、他方で、ヒアリングを通じて、調査対象にさらに拡がりが出てきたという面もある。研究内容の拡がりの必要性とまとめあげの必要性とのバランスが明確になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記に挙げた25年度の研究計画の3本柱のそれぞれについて、以下のように評価できる。 1)理論的枠組みの構築:各種文献をレビューを行い、重要な課題を抽出する、という点については、一定の進捗が見られたと考えている。 2)ヒアリング:ヒアリングについては、複数の方々にお会いしてお話を伺うを得ることができた。ヒアリング内容を十全に体系化していく作業はまだ必要ではあるが、一定の成果が既に得られているのも事実である。 3)成果公表:上記の1)と2)について、まとめつつあるが、25年度内には発表には至らなかった。この点は計画からの遅れと言えるが、これについては26年度の早い段階で学会発表を行う、論文や書籍としてまとめていくという作業に取り掛かりたい。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度の予算執行はほぼ計画通りに進んだが、若干の繰越額が生じた。書籍購入等に充てる予定の予算であり、それについては、26年度に出版される専門書の購入に用いる予定である。 26年度は当初の予定通り、ヒアリングと一次資料という点での事例分析の深化を図る予定である。中国での合弁(GAC)、チェコでのプジョーとの合弁(TPCA)といった、様々な合弁についてのヒアリングも、その可能性を探っていきたい。同時にNUMMI本社も再訪し、NUMMI後期における状況や課題点などを更に調査したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由は以下の3つである。 第一に、購入書籍数が少なかった:2013年度までに出版された組織間関係論やNUMMIに関わる文献が想定していたより少なかった。第二に、謝金の計上額がなかった:実際にヒアリングを行ったものの、謝礼を必要とされなかった場合ばかりであった。第三に、出張費用の低下:海外出張時の旅費を低く抑えることができた。 これらの理由により、一定額の予算を26年度に繰り越すこととなった。 25年度の残額は、そのまま同じ費目に充当する予定であり、詳細は以下のように考えている。 第一の書籍については、毎年様々な専門書等が出版されており、予算の必要性がなくなるわけではないため、今後も書籍購入を続けていく。第二の謝金については、今年度は新たなヒアリング先も広げていこうと考えており、その際には特に謝礼の必要性が生じると考えられる。第三の旅費については、ヒアリング先の増加は今後の出張費用の増加を意味するため、今後のヒアリング活動に充てていく。 上記のような計画をしており、問題なく研究が進むとと考えている。
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Research Products
(1 results)