2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380485
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
小橋 勉 同志社大学, ビジネス研究科, 准教授 (20324444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 達章 金城学院大学, 国際情報学部, 教授 (00335001)
趙 偉 中部大学, 経営情報学部, 教授 (60303583)
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Project Period (FY) |
2013 – 2016
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Keywords | 組織間関係 / 組織間学習 / 知識移転 / 国際合弁 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は4カ年計画で実施された。最終年度に当たる平成28年度の研究概要は, 以下の3点である。 第1に, 国際的な合弁事業における組織間学習が促進される要因について事例分析を行った。合弁事業においては, 協働という経験を通じて多様な知識が移転されるが, 知識が完全に移転するには時間がかかる。そのため, 組織間学習が促進されるかどうかは, 合弁事業の親会社において経験が活用される機会や経路が作り出されているかによって決定するという分析枠組みを導出した。この枠組みを、トヨタとGMの合弁事業であるNUMMIの事例分析に適用し, 考察を行った。この「経験の活用」に関する研究成果については, 国際学会において発表した。また, 本研研究において導出した枠組みを, 航空業界の組織間関係に適用した事例分析も行い、学術論文として発表した。 第2に, 国際合弁事業における知識移転として, 技術システム(生産システム等)だけでなく, 社会システム(人間関係等)にまで分析対象を広げて考察を行った。具体的には, NUMMIの労働協約書を全て入手し, 組織内の労使関係・人間関係の動きを読み解くことで, NUMII独特の文化の形成プロセスや, 社会システムを強化する作業組織を構築することの合理性を説明することが可能となった。この研究成果は国際学会において発表した。また, 学術論文として発表する予定である。 第3に, 国際合弁事業の経営に携わった方々へのインタビュー調査を通じて, 国際合弁の経験がどのように後のアライアンス能力(他企業との連携を効果的に展開する組織能力)の形成につながったのかについて一定の知見を得た。特に, 国際合弁事業を長期的・歴史的に捉えることで, 複数の合弁のダイナミクスを明確にする研究の必要性を導出し, 今後の研究課題として着想した。 以上の研究成果については、図書としても刊行する計画である。
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Research Products
(3 results)