2014 Fiscal Year Research-status Report
企業外部・内部の環境変化がコーポレート・ファイナンスに及ぼす実証分析
Project/Area Number |
25380490
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
三谷 英貴 立命館大学, 経営学部, 准教授 (80584052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
播磨谷 浩三 立命館大学, 経営学部, 教授 (90347732)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多角化 / 選択と集中 / 資本構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,(1)企業を取り巻く外部環境の変化,及び,(2)外部環境の変化によって誘発される企業内部の変化という要因が,資金調達行動に及ぼす影響を分析するところにある.当該年度はこれら2つの要因のうち(1)を中心に研究を行った.計画では,3年間の研究期間の2年目にあたる当該年度は(2)に入っていなければならないのだが,進捗状況は計画よりも若干遅れ気味である.研究代表者として,遅れの原因は次の点にあると考えている. (1)で必要となる「外部環境の変化をどのような変数でとらえるのか?」という理論的な枠組みを,プロダクト・ライフサイクルという考え方を使って整理しようと当初考えていた.しかしながら,プロダクト・ライフサイクルという考え方を実証分析した先行研究がとても少なく,想定していた作業が思うように進まないという状況に出くわした.この点が進捗状況の遅れの要因である. そこで,当該年度はプロダクト・ライフサイクルという考え方で,企業を取り巻く外部環境の変化を整理することををいったん棚上げし,「多角化」と「選択と集中」という概念に着目することで外部環境の変化をとらえることにした.これらの概念に関しても実証分析の際の変数の設定は難しく,分析がなかなか進まない状況が続いたが,当該年度の後半に何とかクリアでき,一通りの分析が完了した段階である.分析では,「多角化」という概念を「選択と集中」という正反対の概念でもとらえることに成功している.そのため,得られた分析結果は,先行研究ではとらえられなかった側面にも貢献するものであると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要でも記したように「研究の目的」の達成度が遅れている原因は次の点にあると考えている. 本研究の研究目的の一つである「企業を取り巻く外部環境の変化が資金調達行動に及ぼす影響」において,当初,外部環境の変化という理論的な枠組みを,プロダクト・ライフサイクルという考え方を使って整理しようと考えていた.しかしながら,プロダクト・ライフサイクルという理論を実証分析した先行研究がとても少なく,想定していた作業が思うように進まないという状況に出くわした.そこで,計画していた研究のやり方を転換せざるをえない状況になった.現在までの達成度が計画よりもやや遅れている理由はこの点にあると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の研究代表者としては,当初に計画していたプロダクト・ライフサイクルという概念で企業を取り巻く外部環境の変化をとらえることはできなかったが,「多角化」と「選択と集中」という概念で外部環境の変化をとらえることができたので,この成果をベースに学術論文を完成させたいと考えている.また,本研究では,外部環境の変化によって誘発される企業内部の環境の変化がファイナンスに及ぼす影響の分析も目的の一つとして掲げている.この点に関しては,人的資源(雇用)の変化に着目して企業内部の環境の変化をとらえようとしている.雇用のデータは手元にある状況なので,外部環境の変化がファイナンスに及ぼす影響に関する論文の執筆と並行してこちらの点も分析していきたいと考えている.
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Causes of Carryover |
当初の計画よりも分析に時間がかかり,分析結果をまとめて論文を執筆する段階まで研究が進まなかった.そのため,計画時点で計上していた英文校正費用や学会発表のための旅費などへ支出ができず次年度使用額が生じたと考えられる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,研究期間の最終年度ということもあり,執筆途中にある論文を完成させなければならない.論文は海外ジャーナルへの投稿を予定しているため,その投稿費用や英文校正費用などに研究費を使用する計画である.
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