2013 Fiscal Year Research-status Report
介護施設における学習の共同体の研究-組織的技能形成とキャリアの相互作用を中心に-
Project/Area Number |
25380492
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 雄一 関西学院大学, 商学部, 教授 (10336951)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 実践共同体 / 組織学習 / 介護施設 |
Research Abstract |
介護施設における実践共同体の研究については、今年度は、(1)介護施設の調査、(2)学習療法研究大会への参加、(3)他の実践共同体への調査とその比較、(4)理論的整理、の4点について実施した。(1)介護施設の調査については、今年度は6件の介護施設へのインタビュー調査を実施した。これまでの調査と同様、「学習療法センター」からの紹介のもと、学習療法を実施している施設について、[1]導入の経緯、[2]学習の様子、[3]導入と学習による組織的変化、の3点についてインタビューを実施した。その結果、学習を促進する要因として、施設内に導入に積極的なスタッフの存在があることと、そのスタッフおよび施設全体の自律的な学習活動について、トップや施設長の「ゆるやかなリーダーシップ」が存在することがうかがえた。この点については実践共同体の既存研究にもあてはまるものであり、今後の調査においても重点的に調べていく。調査結果については、3つの学会において学会報告を実施し、好評を得ている。 (2)学習療法研究大会「学習療法シンポジウム」については今年度も参加し、自律的な学習活動を実施する施設の研究発表について知ることができた。そのうちのいくつかの施設については、調査対象としてインタビュー調査を実施している。 (3)他の実践共同体への調査とその比較については、同様に研究している実績のある、教育サービス会社の実践共同体、陶磁器産地の実践共同体などについても事例が集まっているが、そことの比較研究を行い、その結果について学会発表を実施している。 (4)理論的整理については、実践共同体との関連が想定される、組織学習および「学習する組織」についてと、活動理論と学長的学習論について文献検討を行い、実践共同体との関係性について整理した。その結果については2本の論文にまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実践共同体の研究については理論的な検討ができたことと、調査事例としてインタビュー調査を実施し、事例を収集できたことが成果である。科研費のおかげで両者について促進できたことは大きい。予定していた出張調査を実施することができなかったことはあるが、おおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらなる事例の収集と、他の実践共同体との事例を比較し、実践共同体についての理論を導出することが課題である。その上で著書の出版を目指して執筆作業を進めていく。調査と執筆の両立は難しいが、できるだけ両立する形で進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に最後の出張調査によって使用する予定であったが、体調を崩し実施できなかったため。 実施できなかった調査を次年度実施することで使用する。
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Research Products
(8 results)