2013 Fiscal Year Research-status Report
日本企業のナレッジ・ワーカーのキャリア発達メカニズムの研究
Project/Area Number |
25380494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 雅彦 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (90374884)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | キャリア発達 / 一人前 / 組織社会化 |
Research Abstract |
2010年度~2012年度までの基盤研究(C)「日本企業の大卒ホワイトカラーの「一人前」の研究」の研究成果を整理して日本企業の技術者にキャリア発達プロセスに関する仮説モデルを学会発表した上で、その仮説モデルを踏まえて事務系のキャリア発達に関する新たなインタビュー調査を実施した。 25年度は事務系ホワイトカラーの調査対象としてスポーツ関連商品の小売流通業を取り上げることにした。2014年1月28日に当該調査対象企業の人事部からのヒアリング調査の実施に続き、2月14日~2月19日までの間に、当該企業に従事する30歳前半の若手中堅人材12名のキャリア発達に関するインタビュー調査を実施した。 現在のところ、このインタビュー調査の結果は分析中だが、いくつかの特徴が見えてきた。まず、技術系の研究開発者のキャリア発達とは異なり、入社後間もない頃から配属店舗では売り場の商品知識や販売スキルなどの専門知識だけでなく、パートやアルバイトなどのスタッフの人事管理を担うことが少なくない。20歳代半ば頃にもなると、店舗内の特定の売り場責任者として商品販売管理と人事管理の両輪が要求されるようになる。そして、30歳前後で中規模店舗クラスの店長としてのマネジメントが要求されるようになる。つまり、研究開発者に比べると昇進スピードが速く、段階的な昇進のタイミングで彼らの業務範囲と視野が拡大することによって成長が促進され、組織的なマネジメントの成否が彼らの業績評価に大きく影響することが大きな相違である。 なお、2014年6月頃に中間報告にて先方人事部との意見交換を経て、最終報告会を実施して研究成果をまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では2013年度中に調査対象企業1社の事務系のキャリア発達に関するインタビュー調査を実施して分析まで完了する予定だったが、あらかじめ了解を取り付けていた調査対象企業の都合により2013年秋頃に実施する予定の調査が白紙撤回したことから、代替する調査対象企業に打診して調整することに時間がかかり、年度内に分析を完了させることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年6月を目途に2014年2月に実施したインタビュー調査結果の分析を完了させて先方企業にて中間報告会と意見交換を実施し、その後速やかに最終的な成果をまとめて最終報告会を実施する。 また、2014年度も新たに調査対象企業を選定して同様のインタビュー調査を実施して分析し、事務系キャリア発達の分析サンプル累計数を増やす計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初2013年秋に予定していた調査対象企業の調査中止に伴い、新たな調査対象企業のインタビュー調査の実施時期が2014年2月に遅れたため、その分析および報告に関する謝金や交通費が翌年度に計上された。 2013年度に実施した調査対象企業の分析と報告会などに必要な謝金や交通費は2014年度の前半までに使用し、後半は新たな調査対象企業の調査を開始する計画である。
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