2014 Fiscal Year Research-status Report
日本企業のナレッジ・ワーカーのキャリア発達メカニズムの研究
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25380494
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 雅彦 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (90374884)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | キャリア発達 / 成長の転機 / 学習プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年8月18日~22日、日本の製薬企業のMR(Medical Representative)16名を対象にして大学卒業後10年間での成長の転機となった仕事経験や人との出会い(クリティカル・インシデント)と、そこから何を学習したのかについてインタビュー調査を実施した。分析の結果、パフォーマンスの高い中堅MRほど、入社後3年目までの早い時期と7年目以降の後期に成長の転機となる仕事を経験しているが、標準的なMRは入社4年目から6年目の中期に集中する傾向がみられた。 こうした傾向は、これまでの実証研究による研究開発者の成長プロセスにもみられたことから、技術系、事務系を問わず、日本企業におけるキャリア発達のプロセスに共通する特徴的なパターンである可能性が高いと考えられる。今後もより多くの事務系職種の調査分析を蓄積することによって検証していく。 また、2015年2月17日~19日、日本の証券関連企業のスタッフ職12名を対象とした同様のインタビュー調査を実施した。現時点では分析の途中であるが、優秀なエリート集団と言われる対象者は、2年目の早い時期から成長の転機となる仕事の経験をする傾向がみられることから、やはり優秀な人材ほど早期に仕事上の成長の転機を経験する機会が与えられる傾向が垣間見られる。引き続き分析と考察を進めてこれまでの仮説を検証する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのインタビュー調査対象者は、2013年度は1社12名、2014年度は2社28名となり、合計3社40名に達している。今後も同様のペースでインタビュー調査を継続することができれば80名程度のサンプル集団となり、より説得力のある分析結果が導出できると見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度および2016年度にも引き続き年間に1社もしくは2社の事務系ナレッジワーカーのインタビュー調査を継続的に実施する計画である。
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Causes of Carryover |
主な支出は、交通費とインタビュー内容のテープ起こしに対する謝金であるため、完璧な計画が策定できないために端数が生じてしまう。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度も計画に従ってインタビュー調査を実行するための経費とし手活用する計画である。
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