2015 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの産業クラスター形成とイノベーション・システムのメカニズム解明
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25380498
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
税所 哲郎 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (80386870)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 産業集積 / 産業クラスター / アジア / アセアン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現在、世界の中で最もダイナミックな経済活動や企業行動を展開し、地域の活力が見られるアジア各国における産業クラスターの研究を現地のフィールドワークによって、産業集積地から産業クラスターへと典型的な産業クラスター形成のパターン化とその実態を明らかにすることができた。 フィールドワークの実施では、研究シナリオ(分析フレームワーク)を作成したうえで、対象国及び対象地域・エリアを選定して、産業集積地及び産業クラスターに関連する諸組織・諸機関の現地調査を実施、産業集積地から産業クラスター形成におけるパターン化を実施、産業集積地から産業クラスターへの実態解明を行った。 アジアの産業集積地では,工業区や工業団地、輸出加工区,ハイテク区、ハイテクパーク、サイエンスパークなどの形態で数多く成立しており、地域開発やインフラ整備、技術移転、人材育成などが政府及び民間主導のもとで、積極的な企業や団体などの組織誘致が推進されてきた。これらの産業集積地のエリアでは,税制優遇策や行政手続きのワンストップサービスの提供などの進出企業に対する支援体制も充実している。また、単に企業だけの集積でなく、行政機関や金融機関、研究機関、大学などの諸機関の集積も行われているところも多くあり、企業、関連機関(大学、業界団体等)が地理的に集中し、競争しつつ同時に協力・協調している状態も一部のエリアで見られた。 また、それとともに、産業クラスターを構成する組織であるアンカー企業と関連企業、及び関連する諸組織・諸機関からなるネットワーク組織によるイノベーション創出をイノベーション・システムととらえて、そのメカニズムを解明した。アジアでは、企業が国境を越えた生産活動を展開して、国内の大都市圏から地方圏へ、あるいは先進国から途上国への企業誘致に頼る”外発的”な地域産業政策が見られた。
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Research Products
(30 results)