2013 Fiscal Year Research-status Report
アジア地場企業のものづくりイノベーション能力に関する実証研究
Project/Area Number |
25380511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
赤羽 淳 横浜市立大学, 総合科学部, 准教授 (30636486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 勉男 桜美林大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20514178)
井上 隆一郎 東京都市大学, その他部局等, 教授 (70438076)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イノベーション / アジア地場企業 / 製品設計 / 工程設計 / 自動車部品 / タイ / アジア / ものづくり能力 |
Research Abstract |
本年度は、アジア地場企業のものづくりイノベーション能力を計測する指標づくりに注力した。つまり、研究の根本的枠組みの構築である。はじめに日本の大手部品メーカー二社にインタビューを敢行し、彼らがどのような視点で取引先(2次サプライヤー)を選定しているかを聞き取り調査した。その後、今度は日本の中小企業3件にヒアリング調査を行い、供給側が自社の強みをどのように認識しているかを調査した。 これらの日本における調査結果をもとに、2014年2月にインドネシア・ジャカルタ郊外、タイ・バンコク郊外で本格的な現地調査を実施した。インドネシア、タイでもまず日本の大手サプライヤーに対する聞き取り調査を行い、彼らのアジアにおける調達方針の実態を明らかにした。その後、現地のローカル2次サプライヤーに聞き取り調査を行い、彼らの事業の強みおよび目下直面している課題について、多角的な観点から聞き取り調査を行った。 以上のような、実態調査を実施した結果、アジアの地場サプライヤーのものづくりイノベーション能力を評価する視点は、従来の図面形態を中心としたものでは不十分であるという我々の初期の仮説は、おおよそ実証できたと考えている。すなわち、顧客である一次サプライヤーは、二次サプライヤーに高い自社開発能力を求めているわけではなく、また二次サプライヤーも自社開発の向上は常に念頭にはおいているものの、むしろ貸与図の範囲での製品設計におけるアレンジ能力や工程設計能力の向上を足元では重視し、それが一次サプライヤーの顧客満足度を高めているという実態を浮き彫りにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究枠組みの構築とアジア一か国における実態調査を実施し、その成果を国際学会で発表することを目標としていた。研究枠組みの構築およびタイにおける実態調査は予定通りに行うことができた。またその成果は、本年6月に京都大学で開催されるGerpisa 22nd International Colloquium of GERPISA にて発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、研究枠組みの構築に成功したとはいえ、さらなる精緻化が必要と思料している。そのためにも、事例研究の積み重ねが必要である。まずは、タイでの事例研究をさらに増やしていく。また、中国もしくはインドで同様なローカルサプライヤーの調査を行う必要がある。タイと異なり、中国やインドは日系自動車メーカーのシェアが小さく、タイと日本の調査で浮き彫りにした二次サプライヤーの評価の枠組みとは別の視点を発見できる可能性が考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際学会発表用の英訳費用が、次年度に繰り越しで発生したため。 国際学会発表用の英訳費用
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