2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
高 瑞紅 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (30420459)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グローバル調達 / 多国籍企業 / 集中購買 / 分散購買 / 国際分業 |
Research Abstract |
研究計画に従い、日欧米多国籍企業のグローバル調達の仕組み、国際調達オフィス (International Purchasing/Procurement Office, IPO)設置の動機、IPOの役割とグローバル調達戦略に与える影響などについて比較分析を進めてきた。その中から2つほど紹介する。 『アジア経営研究』(No.20)に公刊予定の論文では、中国IPOの展開プロセスを明らかにした。中国における多国籍企業の多くは、グローバル調達において、販売業者から調達を行っていたが、調達規模の拡大やその重要性の高まるにつれ、在中国生産拠点の中にIPOを設置することによってグローバル調達の機能も保持し始め、その後、生産拠点からIPOを独立することによって調達機能を強化してきた。中国IPOの設置によって、現地サプライヤーの新規開拓や安定した供給体制を維持し、グローバル調達の拡大と効率化を図っていることを明らかにした。また、サプライヤーの能力開発に伴って高品質かつ低コストの部品や資材を安定調達するための環境整備を進める中で、中国IPOは多国籍企業本社のグローバル調達戦略や事業戦略に影響を及ぼす存在になりつつあり、その役割とグループ全体における位置づけはさらに大きくなると考えられる。 『国際ビジネス研究』(第6巻, 第1号)に公刊予定の論文では、中国進出している日台2社の事例を取り上げ、戦略提携をベースとした企業内・間国際分業とグローバル調達の展開過程について考察した。日本工作機械メーカーであるT社は、中国事情を熟知する台湾企業との合弁により、中国への市場参入や事業展開を迅速に実現させた。この中国拠点は生産機能だけにとどまらず、グローバル調達機能も持つ拠点になりつつある。このことから、国際提携が、国際分業体制の構築とグローバル調達に重要な役割を果たすことを示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、先行研究の検討やインタビュー調査を行った結果を学会や研究会で報告し、原稿の作成を進めた。また、並行して進めている研究を査読付き学術誌に投稿していたが、それら査読過程も比較的順調に進んだ。よって、「おおむね順調に進展」と判断することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
現行通り、インタビュー調査と学会での研究報告を行い、成果を継続して出せるようにする。ここまでおおむね順調に進捗しているため、大きな変更は必要ないと考えている。
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Research Products
(6 results)