2015 Fiscal Year Research-status Report
日本企業の新興国における子会社進化と企業内ネットワークに関する研究
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25380522
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
齋藤 泰浩 桜美林大学, 経済・経営学系, 准教授 (50296224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 意智郎 実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (80407220)
竹之内 秀行 上智大学, 経済学部, 教授 (90297177)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 海外子会社 / 新興国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は主に①2次データに基づくデータベースを構築し実証分析を行い研究成果を発表すること、②事例研究を踏まえたアンケート調査を行うこと(そして研究成果を発表すること)、を計画していた。 ①の実証分析については、遅れていたデータベースのうち日系自動車部品メーカーの在中国子会社データはかなり充実したものとなり(以下データベースⅠ)、昨年度から着手した変更(子会社の立地を省レベルで捉える、子会社の事業を製品レベルで把握する)が完了し一定の水準まで到達するに至った。このデータベースを利用して実証分析を試み、その成果の一部を学会で報告し(Takenouchi, Saito & Takahashi, 2015)、論文として発表した(竹之内・齋藤, 2016)。 ただ立地選択後の進化を捉えるべく取り組んでいる日系電機メーカーのASEAN展開のデータベースづくりが難航している(以下データベースⅡ)。同一国内の他の子会社との関係のみならず他国の子会社との関係を見るために単一国から地域に対象を広げた結果、膨大な数のデータを処理しなければならなくなったからである。けれども、そうした作業を通して出会った地域本社(Edgington & Hayter, 2013)やホームベース(Zhou & Guillen, 2014)に関する議論は今後の研究にヒントを与えてくれるに違いない。成果の一部(シンガポールにおける東芝と日立の子会社進化)を学会の部会で発表した(齋藤・竹之内, 2016)。 ②については、他の研究プロジェクトから、子会社間の関係のみならず、子会社をマネイジするための組織構造と組織文化も検討する必要があることを学び、二次データでは把握できないそれらを捉えるためにアンケート調査の質問項目づくりに取り組んでいる。先行研究のレビューはほぼ終わっており、夏までにアンケート調査を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度の遅れを取り戻すことがまだできていない。在中国子会社に関するデータベース(データベースⅠ)についてはかなり充実したが、他国の子会社データが未整備のままである。シンガポールにおける子会社進化の事例研究(齋藤・竹之内, 2016)を踏まえて、ASEAN域内での日系電機メーカーの事業展開に関するデータベース(データベースⅡ)づくりを急ピッチで進めていく必要がある。そのため当初はASEAN10カ国を対象にする計画であったが、原加盟国であるタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5カ国に縮小してデータベースを構築し、進出後の多角化(Delios, Xu & Beamish,2008)、現地本社の設立(Ma & Delios,2010)、地域本社の設立あるいは地域本社への進化(Edgington & Hayter, 2013)の視点も加えて子会社進化を検討していく。 このように 本研究では基本的には二次データを使用して構築したデータベースを活用して実証分析を行うが、組織構造や組織文化まで議論を拡げた結果、多くの先行研究と同じようにアンケート調査を行ってデータを収集する必要が発生したことがさらなる遅れにつながっている。組織構造はマクロの組織形態にせよ、集権化や公式化といった組織構造の次元にせよ、二次データから識別することは困難である。この度、1年間の延長をお願いしたのも、このアンケート調査を行うためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は昨年度の遅れを取り戻すべく次の3つに取り組む。第1に、データベース(データベースⅡ)を完成させる。第2に、そのデータベースを用いて実証研究を行う。第3にアンケート調査をもとに実証研究を行う。研究スケジュールは以下の通りである。 平成28年4月~8月:①データベースⅠを用いた実証研究をより精緻に行う(齋藤・竹之内・高橋)、②その成果を発表すべく学会の年次大会にエントリーする(齋藤・竹之内・高橋)、③データベースⅡを構築する、④アンケート調査の質問項目を完成させ、パイロット調査を行う(齋藤) 平成28年9月~11月:①データベースⅡを用いた実証研究を行う(竹之内・齋藤)、②アンケート調査で収集したデータを用いた実証研究を行う(齋藤) 平成28年12月~29年1月:①学会の年次大会にエントリーする(齋藤・竹之内・高橋)、②研究成果を論文にまとめる 平成29年2月~3月:研究成果を論文にまとめる
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Causes of Carryover |
1年間の期間延長をお願いした理由は、ASEAN域内における日系電機メーカーの事業展開に関するデータベース(データベースⅡ)の構築と組織構造や組織文化についてデータを収集するためのアンケート調査の質問票づくりが予想よりも遅れてしまったことにある。 同一国内(中国)での姉妹子会社の存在についてはデータベースⅠ(ただし中国のみ)で対応できるが、他国に立地する姉妹子会社の存在を考慮に入れるにはデータベースⅡの構築が欠かせない。アンケート調査については、先行研究のレビューはほぼ終わっているので、質問項目を仕上げて、パイロット調査を行い、本調査に進んでいきたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベースの構築作業には多くの時間と労力を要するため研究補助が必要となる。そこで、データベース(データベースⅡ)の構築作業に150,000円支出する計画である。 アンケート調査については、郵送作業の補助ならびに切手代として145,636円支出する計画である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 日本企業の立地選択2016
Author(s)
齋藤泰浩・竹之内秀行
Organizer
国際ビジネス研究学会(第15回九州部会)
Place of Presentation
九州産業大学(福岡県・博多市)
Year and Date
2016-03-05 – 2016-03-05
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