2016 Fiscal Year Annual Research Report
Subsidiary development and sister subsidiaries of Japanese firms in emerging countries
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25380522
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
齋藤 泰浩 桜美林大学, 経済・経営学系, 准教授 (50296224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 意智郎 実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (80407220)
竹之内 秀行 上智大学, 経済学部, 教授 (90297177)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多国籍企業 / 事業経験 / 立地選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
竹之内・齋藤・岸本(2017)では、1981年から2013年の期間にASEANに2つ以上の製造子会社を設立している日系自動車部品メーカーを対象にして(177社による377拠点)分析を行った結果、加重距離(Berry et al., 2010)の近い国に進出する傾向があることが明らかとなった。外国企業であることの不利(LOF)を生む距離は、伝統的に本国と受入国の間の距離を想定し、かつ企業同質性も仮定されてきたが(Shenkar, 2001)、当該受入国に進出する前に展開した他国に立地する海外子会社の存在=事業経験は立地選択に影響を及ぼすのである。 過去の国際経験が多国籍企業の成功にとって重要なファクターの1つであるという主張は目新しくはないが、経験から効果的に学んだり経験を横展開することは本来的に難しく、間違った示唆を引き出したり経験を誤用する可能性がある。そこで齋藤・竹之内(2017)では経験と距離とダイナミックLOFについての先行研究を整理し、伝統的なLOF研究の枠組みで議論される本国と受入国というダイアドの距離に加えて、過去に進出した国との距離を考慮したLOFの新たな捉え方について検討した。の議論ではなく、本国と焦点受入国に加えて、過去の受入国との距離を考慮したLOFの新たな捉え方(ダイナミックLOF)について検討した。学習の立地経路(Barkema et al., 1996)や企業が事業経験を蓄積してきた国の組み合わせであるホームベース(Zhou and Guillen, 2014)といった国際化のプロセスへの着目は子会社進化研究の新たな方向性を示しているだろう。どのような国で経験を積んできたのかが、立地選択のみならず、進出後の子会社進化ならびに成果に与える影響を考察している。
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Research Products
(4 results)