2015 Fiscal Year Research-status Report
日系多国籍企業のコラボレーティブ経営とグローバル・アントレプレナーに関する研究
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25380526
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
桑名 義晴 桜美林大学, 経済・経営学系, 教授 (60123121)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日系多国籍企業 / 海外子会社 / 探索的活動 / 日本本社 / 現地企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主に過去2年間に国内外で実施した日系多国籍企業に対する実態調査によって得られた研究結果を分析・整理し、論文を作成すると同時に、それを学会で発表することに重点を置いた。 これまでの研究で、日系多国籍企業が海外で新規事業・新製品を開発するためには、その海外子会社が探索的活動を行い、現地企業とコラボレートすることが不可欠で、さらに日本の派遣社員や現地人材が起業家精神を発揮することが重要で、一部の企業にはそのような活動がみられた。また、そのような活動を行う際には、日本本社と海外子会社、海外子会社と現地企業との関係(埋め込みの関係)の再検討も必要であることも明らかになった。 このような問題の研究は、日系多国籍企業の新たな成長にはきわめて重要であるが、わが国ではまだほとんど行われていない。そこで、本年度はそのような経営活動を行っている企業に焦点を当て、その研究成果をケーススタディという形でも整理を試みた。その成果については、昨年9月にイタリアのベローナで開催されたEuroMed Academy of Businessの第8回国際大会で“Managing Explorative Activities and Dual Embeddedness in a Foreign Subsidiary: A Case Study in Japanese MNCs”というテーマで発表(共同)した。さらに、この研究成果の延長線上で総合商社に焦点を当て、論文にまとめ(共著)、今年6月にアメリカのニューオリンズで開催されるAssociation of Japanese Business Studiesの第28回年次大会に提出し発表する。 今年3月には中国の上海で日系多国籍企業4社のヒアリング調査を行い、以上のような課題について、実証的な研究を行った。現在その整理と分析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画の中心は、過去2年間で構築した仮説、分析フレームワーク、モデルを用いて実施した海外における日系多国籍企業に対するヒアリング調査結果をベースに研究成果をまとめ、論文を作成し、国内外の学会で発表することであった。学会発表については、昨年9月にイタリアのベローナで開催されたEuroMed Academy of Businessの第8回国際大会で行い、また今年6月にアメリカのニューオリンズで開催されるAssociation of Japanese Business Studiesの第28回年次大会で行う予定であるので、おおむね計画通りであると思う。また、海外における日系多国籍企業のヒアリング調査から、本研究課題に 近い経営活動を行っている企業を選んで、ケーススタディを行う予定であったが、製造業2社、サービス業2社について行うことができたので、これについてもおおむね計画通りである。 しかし、研究計画では日系多国籍企業に対してアンケート調査も行う予定で、その調査のためのフレームワークや質問事項については作成したが、まだ実施していない。今年度実施する予定である。また、日系多国籍企業の新たな成長のためのビジネス・モデルやその理論構築についても、まだ不十分で、さらに検討が必要である。これについても、今年度の研究課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題に関する研究成果として、日系多国籍企業の新しい成長のための新しいビジネス・モデルや理論を構築して、その論文を作成して国内外の学会で発表することであったが、そのモデルや理論については、まだ不十分ある。したがって、今後さらに日系多国籍企業に対してヒアリング調査とアンケート調査を実施し、それらの検討や精緻化に努める必要がある。また、学会の発表も行い、本研究課題に近い研究を行っている専門家とも議論する必要がある。
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Causes of Carryover |
研究成果を海外で開催される国際大会で発表するため。また日系多国籍企業へのアンケート調査を実施するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年6月25日と26日にアメリカのニューオリンズで開催されるAssociation of Japanese Business Studiesの第28回年次大会で研究成果を発表するために、その旅費や宿泊費などに充当する。また、今年7月に日系多国籍企業に対してアンケート調査を実施するので、その補助費とする。
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Research Products
(3 results)