2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380558
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
浅岡 由美 中村学園大学, 流通科学部, 教授 (40280250)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サービス産業のアジア展開 / 大学生のグローバル意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地元での就職を志向する学生の多い地方都市の中堅大学の卒業生が、発展の著しいアジア諸国において小売業や外食産業などのサービス産業で活躍できる人材となるために、大学が果たすことができる役割について明らかにすることであった。学生に、どのような動機と機会を提供することが必要であるのか、どのような能力、知識、技能を育成すればよいのか、どのような経験が有効であるのかについて事例研究にもとづき研究を行った。 研究成果に到達するために、①地方都市に本社を置く小売業、外食産業などのサービス産業のアジア展開の状況について国内、および展開先のアジア諸国においてインタビュー調査などの事例研究を行い、進出経緯、進出目的、就業者の状況、採用状況、キャリアモデル、権限の委譲などを明らかにする一方で、②大学生のグローバル意識に関する調査を実施し結果を整理した。 最終年度はシンガポールでの調査を踏まえ、小売業と外食産業に関する論文を執筆し報告を行った(『中村学園大学流通科学研究所報』第10号, PP. 31-44, 2016)。 本研究の意義のひとつは、比較的、中小規模のサービス産業が経済発展の著しいアジア諸国に進出する際の成功モデル、成功要因を明らかにしたことである。インドネシア(ジャカルタ)、マレーシア(クアラルンプール)、シンガポールにおける進出の現状について論文報告を行った。ふたつめの意義は、地元志向という特徴をもつ地方都市の中堅大学の学生に広い視野を持たせるための教育プログラム案を策定した点である。本研究が取り組んだ3年間ではプログラムの成否を問うには至らないが、企業はアジアを視野に入れているもののアジアを志向する学生は少ないこと、よって、アジアで働く姿やアジアの発展に寄与することの意義などを伝えるプログラムが必要であると考えられた。
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