2014 Fiscal Year Research-status Report
医療事業のサービス品質と顧客満足度との関係構造の解明
Project/Area Number |
25380561
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
伊藤 一 小樽商科大学, 商学部, 教授 (10241415)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医療 / 患者満足度 / サービス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は医療事業での重視されるサービス品質と顧客満足の関連構造の解明を目的とする研究である。嶋口モデルや狩野モデルで示される仮説のもと、患者満足向上へ影響する要因を職務満足度調査の実施を手がかりに抽出することに焦点を当てた研究である。上記調査結果から患者満足を満たす適正配分が算出され、医師・看護師・コメディカル部門のそれぞれの資源提供の量と提供サービスの種類を組み合わせることにより負担の少ない投入での患者満足の最適パスが解明できる。さらに今後拡大する医療支出、特に地域医療を支える公立病院の活動を中心に調査(患者満足調査:外来・入院、職務満足度調査)を実施する。 本年度は対象医療施設を小樽市立病院に集中して調査した。対象病院は2施設に分立していたが、平成26年12月に新設・統合を実現し、患者評価が格段に向上しつつも、過剰業務への職員の業務上の不満が解決せず、患者満足度向上への支障点が生じていた。今回新設により徐々に研修医、不足の診療科医師が補充されつつあり、過剰な業務が改善され、患者満足度の向上が見込まれつつ有る状況である。この機会をとらえ今年は職務満足の向上による患者満足の変動を平成26、27年度と2年間の経年調査を企画し実施している。これに先立ち、平成26年度には小樽市立病院・最高経営者への患者満足度に関わる職務満足度向上へ向けたヒアリングと看護部長へは日常の業務量調査の方策や結果活用にかんする資料収集とヒアリング調査によりケース教材を策定。さらに上記職務満足度調査の実施。また平成27年からは入院患者への顧客満足度調査の開始(従来は外来のみ)。さらに比較調査対象として、道外施設より医療圏環境の近い砂川市立病院への調査を実施し、まずは同院長、看護部長への予備的ヒアリングを実施した。その後平成27年度に関連比較調査の依頼にたいし同院長より承諾をえて調査準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
即時対応性が重視されるサービスのエンカウンター評価には患者満足度調査だけでは限界があり、職務状況の調査を加味した総合的調査の必要性が確認出来たため。さらに地域医療を担う公立病院の協力的対応が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
協力的な公立医療機関に対象を集中したフォーカス調査を実施することにした。そこで患者満足度調査の外来調査と入院調査の総括的調査の実施と、加えて、業務量調査の結果分析、患者満足度調査と連動する職員満足度調査の実施により医療従事者の於かれている業務環境を理解した上での患者対応の調査により詳細な分析を試みることにしたため。
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Causes of Carryover |
当初予定したPC購入予定を延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度持ち越した分については平成27年度以降に予定どおり支出する。研究期間を当初3年(平成25-27年)から4年に延長し、通常得難い、医療機関での定点調査の成果を獲得し、調査活動が維持できるよう費用を確保につとめる。
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Research Products
(2 results)